ナポリの名門ブランド Caccioppoli カチョッポリで生地を選ぶ

こんばんは、プロフェソーレ・ランバルディ静岡の大橋です。

先日、サンプルのスーツを仕立てるための生地を求めに、ナポリの大学近くにあるCaccioppoli カチョッポリに行ってきました。メトロの最寄駅から徒歩10分、どういうわけか貴金属店ばかりが集まる地域にあります。

すでに日本で展開してから15年以上も経っているこの生地商、今さらあえて紹介する必要もないほどかもしれません。しかしせっかくですのでコジモ・カチョッポリ氏に許可を頂いて、このサイトで紹介させて頂きましょう。

さあ、それでは一緒にカチョッポリへ生地を巡る旅へと。

Caccioppoli 極上生地を巡る旅

Caccioppoli カチョッポリの店舗は、クローズドな店が多いナポリでは珍しく開放的で、しっかりと看板も出ており分かりやすくなっています。

この様子であれば、初めてナポリにきた人が「ちょっと最高級生地でも買いに」立ち寄るのも無理ではないでしょう。しかし一つ覚えておいて頂きたいのは、ナポリではどこへ行くにも、それなりの装いをしていることが大事だということです。

もしCaccioppoli カチョッポリに行くのであれば、それにふさわしいジャケットを羽織って行くことが、良い買い物のパスポートとなるでしょう。

Caccioppoli カチョッポリの店舗は非常に広々としています。4つほどの広い部屋に生地がストックされており、そのうちの1つはシャツ生地の部屋となっています。

勝手に見て回るのではなく、お店の人に自分がどんなものを探しているかを伝えましょう。

今回私が探していたのは、とっておきのスーツ生地とジャケット生地を一着分ずつ。色柄にこだわりはないので、色々と見せてもらうことにしました。

コジモ氏が最初に案内してくれたのは、結局それを選んでしまったのですが、Caccioppoli カチョッポリがあのColombo コロンボに作らせた極上のスーツ生地。Super 150’sのウールに、シルクを混紡した美しい生地です。

次はLoro Piana ロロピアーナが作ったいかにもカチョッポリらしいシルクリネン混の生地。少しざらっとした手触りの織りでありながら、ロロピアーナ特有のぬめり感が加わって、とても気持ちよく上品な仕上がりです。

この表情豊かで、青空に映える色彩の生地こそがCaccioppoli カチョッポリの最も得意とするところですね。チェック柄もありますが、やはり色の組み合わせが格段に洒脱で、別注のセンスの良さを感じます。

生地を自分で作らず、取り扱うのみのマーチャントにとって、色合いや生地感のセンスは最も大事な要素です。サルトリアや顧客は彼らの「目」としてマーチャントを信頼することになるからですね。

そしてその点で、Caccioppoli カチョッポリは卓越しています。

ウールは主にロロピアーナやエルメネジルド・ゼニア、コロンボなどが作っており、コットンではE.THOMASが多いようでした。しかしどの生地も別々のメーカーが作っているとは思えないほど統一感のある雰囲気となっており、マーチャントの意味を存分に感じます。

シャツ生地では、かの有名なカルロリーバも扱っています。ちなみにリーバの顧客価格は1mあたり50€、幅が狭い生地なので一枚のシャツに3m必要なので、生地だけで150€≒2万円弱かかる計算です。シャツの値段が高くなるのも仕方がありません。

コジモ氏のスーツの美しきこと!

しかし私は生地を見つつ、コジモ氏のスーツもまた凝視していました。

美しい光沢のライトグレーは、まるで白銀のような輝かしさ。ビンテージ懐古がトレンドの時代で光沢のある生地は敬遠されつつありますが、ここまでエレガントな風合いを見るともう堪らない。

いやCaccioppoli カチョッポリの矜持を感じます。

そしてその生地こそは、先ほど紹介したColombo コロンボが作るシルクウールだったのです。その生地のシリーズにすることは早速決め込んでしまい、色に悩んでいたのですが、最後に残った二択はグレンチェックとライトグレー。ライトグレーはコジモ氏のスーツと同じ生地です。

するとコジモ氏が、ビスポークのジャケットを「着てみたら」と貸してくれて、結局同じライトグレーにしてしまった、とこういうわけです。

スーツ生地はライトグレーのシルクウール、ジャケットはブラウンのシルクリネン混生地を選びました。

ついでにトラウザーズの生地も購入。コジモ氏の一押しは非常に厚手の重量感があるコットン。なぜならクリースを入れたときに消えにくく、また2プリーツなどのトラウザーズで美しい立体感が生まれるからです。

あとはサルトリアに持ち込むだけ、Caccioppoli カチョッポリの生地がどのように仕上がるかとても楽しみですね。

皆さんもナポリでビスポークをされる際には、せっかくですからナポリの名門生地商Caccioppoli カチョッポリで生地を選んでみましょう。

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