こんにちは、プロフェソーレ・ランバルディ静岡の大橋です。
今日はちょっとしたコラムを。
「日本製のシャツは、イタリアのシャツを超えるか?」
シャツに限らずこんな話題はよく聞かれるのですが、今回はある日本製のシャツに感激したこともあり、シャツについて書いてみようと思います。

イタリア製のシャツは何が違う?

さて、まず気になるのはその違いですよね。すでにイタリア製のシャツを普段から着ている人ならばともかく、あまりイタリア製のシャツを着たことのない人からしたら、「値段が違うのかい?」と言われてしまいそうです。
「そうです、イタリアの職人にピッツァをご馳走しなければ、商品が送られてきませんから……」
と、私の深淵なる思いをお伝えしましょう。
それはそれとして、実際イタリア製のシャツと日本製のシャツとでは何がそんなに違うのでしょうか?

まず生地について言えば、日本製やイタリア製で違いを語れるものではありません。というのも日本のシャツがイタリア製の生地を使用することも少なくありませんし、それ以前にコットン生地の質は国よりもそのメーカー次第と言えるからです。

もちろんカルロリーバのように希少な最高級生地になれば、やはりイタリアに追従できるものはないでしょう。往々にして上位0.1%の最高品質というのはその歴史や文化が長い国や場所でしか、作ることができないのです。これはいくら海外で寿司のレベルが上がっていても、日本の名店にはなかなか追いつけないのと同じです。

それではイタリア製のシャツと日本製のシャツは、どこが違うか。
日本のセレクトショップでは時々、イタリアの最高級シャツをモデルに、日本のファクトリーで作ったシャツを展開していたりもします。
それらはおそらくイタリアのシャツをそのまま型紙に起こしていると言っていいほどのものなので、同じ品質にできるはず。そう思うのですが、着心地はなぜか違うのですね。
それはなぜでしょうか?
残念ながら未だにこれを満足に説明できる人は多くありませんし、私も具体的に「こうだ」とは言えないのです。

それは考え方、そして文化の違い

しかし一つ言えることがあります。
それは、イタリア製のシャツと日本製のシャツでは、文化や考え方が違うということ。

イタリアのシャツのベースにあるのは、着心地と人が着たときの美しさです。
それを実現するために、方法は問わない。例えば襟袖を手縫いで柔らかく縫うこと、いせ込みを大きく取ること。フライのシャツのように、縫い合わせ部分の幅を場所によって大胆に変えること……。そしてカッティングの仕方、サイジング、ミシンの縫い方一つとっても、「着心地と美しさ」という目的において作っている彼らのシャツは、やはりその点において非常に優れているのですね。

それに対し日本の縫製、テーラリングのベースにあるのはトルソーに着せたときの評価と、機能性です。良い悪いではなく、日本の伝統的なテーラリングがシワのない仕上がりを目標としているのは、私がテーラーさんたちと話をしてわかったことでした。

イタリアのシャツと日本のシャツの違いを最も端的に表しているのは、そで丈でしょう。日本のシャツはそで丈がぴったりと手首にくるようにするのがベストとされています。
それに対しイタリアのシャツは袖が長い。これは一般的に「イタリア人の腕が長いから」と言われていますが、これは間違いです。
日本人がシワのない端正な佇まいをもとめた結果シャツの袖はジャストサイズとなり、イタリア人が腕を前方や上方に動かしたときに突っ張らないよう考えた結果シャツの袖は長くなったのです。

現在では日本のシャツはイタリアのシャツと比べられ、評価されます。するとどうしても、日本のシャツはイタリアのシャツに比べて「着心地に劣る」と言われてしまいがちなのです。
もちろん日本には素晴らしいシャツ職人もいて、それこそイタリアのシャツを駆逐する勢いのクオリティを誇るのですが、既製服で一般的に手に入るものというと、やはりそのような具合なんですね。

日本製のシャツはイタリア製のシャツに劣るか

では結局日本製のシャツはイタリア製のシャツに劣るのか?

正直なところ、イタリア製のシャツを工場生産でコピーしようとし続ける限りは、日本製のシャツがそれに勝つことはできないでしょう。それはどちらかと言えば、「イタリア製シャツのようなクオリティを、日本製でもっと安く実現したい」という試みだからです。

しかし一つ、私はあるブランドに可能性を感じています。
それはdecollouomo デッコーロウォモというブランドです。もうご存知の方も多いのではないかと思いますが、高機能でありながらドレスライクで美しいシャツを作っている専業ブランドですね。

「え?」と思われる方も少なくないと思います。というのもこのシャツはどちらかといえばカジュアルな部類に入り、素材も高機能素材のポリエステルやモダールを主体としているので、この店で普段扱っているシャツとは主旨の異なったシャツだからです。

ですが私はこのシャツを知ったとき、「日本製のシャツが、ついにイタリア製のシャツを超えるかもしれない」と感じました。
なぜか?
それはdecollouomo デッコーロウォモが、強い理念を持ったシャツブランドだからです。
過酷でストレスの多い日々の中、着心地で着る人のパフォーマンスを支えたい、というはっきりとしたコンセプト。
耐久性・速乾性・通気性・しなやかさ・上品さを兼ね備えた素材の生地。日本人の体に合わせて研究を重ねたカッティング、そして着用時のストレス軽減を第一に考えた縫製。全てに渡って一貫して、毎日でも着用できるように、そしてパフォーマンスを最大限発揮できるように、という理念で考えられているのです。

日本製のシャツの多くが、イタリア製のシャツに近づくことを夢見ています。
しかしdecollouomo デッコーロウォモは、着る人にとって信頼できるパートナーになることを切に願っているのです。

イタリアの素晴らしいシャツは、職人が「最高の着心地と美しさを実現したい」と願ったことから生まれました。彼らは模倣したわけでなく、その目的のために新しい方法を考え出した。そのオリジナリティこそが、彼らが世界最高のシャツを作っていると言われる所以なのです。

そしてdecollouomo デッコーロウォモは、日本で活躍する日本人のために、そこで必要とされているパフォーマンスを実現するために、様々な方法を考え出しました。新しい素材、独自の生地、日本人のためのバランス、日本人の胸板をより男らしく見せるために独特の縫い付け方をした胸ポケット。
それは完全に彼らのオリジナリティです。

先ほども書きましたが、イタリア製のシャツを工場生産でコピーしようとし続ける限りは、日本製のシャツがそれに勝つことはできないはずです。
しかしdecollouomo デッコーロウォモがその理念のもと、さらに日本の技術を駆使し、日本人の生活や体に合わせて改良を重ねていったとしたら?
それは「着る人がパフォーマンスを発揮できるシャツ」というアプローチで、頂点を極めたものとなるはずです。
だから日本製のシャツが、ついにイタリア製のシャツを超えるかもしれないのです……。

私はイタリア製のシャツを取り扱っているからこそ、decollouomo デッコーロウォモのシャツに注目しています。
ついつい作られた工房や、手縫いの箇所数によって選んでしまいがちなシャツ。ブランドは有名でも流行に合わせてバランスを崩してしまったり、色々な要素を入れ込み過ぎて本来の理念を失ってしまったイタリア製のシャツも少なくありません。

自分やお客様がシャツに何を求めているのか? そのシャツにはどんな理念があるのか。それこそが、シャツを選ぶときに考えるべきことなのだと、decollouomo デッコーロウォモはいつでも私に思い出させてくれるのです。

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