こんにちは、プロフェソーレ・ランバルディ静岡の大橋です。

今日はあまりに青空が美しく、秋の風が気持ち良いため、間抜けにも窓を開けたまま暖房をかけて営業しております。

せっかくセコセコと服を売って、その殆どを愛嬌たっぷりミスたっぷりのナポリ人たちに支払い、ほんの僅かに残ったもので次の服を仕入れようというのに、この電気代と間抜けなアンティーク家具の修理代ですっかり終わってしまうものです。

皆さんどうして椅子を壊すんです?国庫の支出になるじゃありませんか!

『検察官』 – ニコライ・ゴーゴリ

さて、そんな清々しい日々の中で私が見つけた最も美しいシャツ、カミチェリア・ピッチリーロのシャツをいま一度皆さんにご紹介いたしましょう。

Camiceria Piccirillo カミチェリア・ピッチリーロ

このカミチェリア・ピッチリーロについてはもう再三に渡ってご紹介していますので、もう皆さんご存知でしょう。

人と喧騒の行き交うナポリ旧市街の一角。

ひっそりと佇む一軒の仕立て屋、Sartoria Piccirillo サルトリア・ピッチリーロはただのサルトリアではありません。

実は兄弟で営まれており、ジャンニ・ピッチリーロがスーツを仕立て、マウリツィオ・ピッチリーロがシャツを手がけているのです。

ナポリ現地の洒落者達がこよなく愛するこの兄弟は、まるで我が子を愛でるかのような誠実さで一着一着スーツやシャツを仕立てています

何十分もかけて縫い上げた服を、納得がいかなければやり直す。そんな本物のナポリ仕立てがここにはあるのです。

またいかにもナポリらしく小さなサルトリアで働いているのは、皆ピッチリーロの家族や親戚たちです。

 

この説明書きを覚えている方は、なんと信心深い人なのでしょう。つまり、昨日注文した服さえまだ届いていないのに、ランバルディ・オンラインストアを毎日チェックしてしまう人々ですね。

さて、そんなカミチェリア・ピッチリーロのシャツは、これまでのナポリシャツとは全く違うものです。

日本ではナポリシャツの多くのブランドが現れては消えていきます。セレクトショップに行けばシーズンが変わる都度に見たことのないブランドが現れ、そしていつのまに取り扱いがなくなっているということが少なくありません。

しかしカミチェリア・ピッチリーロのシャツは、全く違う意味を持っています。

なぜならこのカミチェリアは専らビスポークばかりを手がけており、この既製服は特別にお願いして作ってもらっているものなのです。

手縫い工程をふんだんに盛り込んだ既成シャツはたくさん存在しますが、このカミチェリア・ピッチリーロは単に、ビスポークと同じ工程を既製服にしてもらっただけのもの。

そして出来上がったシャツは、驚くほど美しく、そしてレベルの高い仕立てだったのです。

美しさに隠されたクラフトマンシップ

このシャツが特殊であることを、一見でお伝えするのは少し難しいことです。しかしこうして光に透かしてみれば、それがどれほど特殊なものかが見えてきます。

まずはヨーク。肩のシームラインは普通、ハンガーの真上に乗ります。しかしCamiceria Piccirillo カミチェリア・ピッチリーロのシャツは、かなり前へとシームが流れてきており、その結果正面から見ても縫い目がはっきり見えるほどです。

次に袖付け部分。アームホールは肩から脇へ向けて、鮮やかな弓形を描きながら、中へと入っていく。体へのフィット感が重視されているのが分かります。更に後ろに比べ前側の方が内側へと入っているのが見えますね。人間の動きは前への動作が多いので、後ろに多くの生地を残しているのです。

背中のシームラインに注目すると、ここもまたわずかにカーブを描いている。人間の背中は直線ではなく、脇に向かって丸くなっているからです。

私はこのように細かくディテールを見ていくのが特別好きなわけではありませんが、しかしときどきそれら数多くの工夫、そして隠されたクラフトマンシップに改めて感激するのです。

そしてその結果として、着心地は驚くほど軽い。

アンナ・マトッツォが「天使の羽のような着心地」なら、カミチェリア・ピッチリーロはシチリアの冬に咲くブーゲンビリアのような……いや、読者様を混乱させるだけの喩えはやめましょう。

また今回のカミチェリア・ピッチリーロのシャツには、最高級のコットンを使用。イタリアではカルロリーバやボンファンティと並ぶ一流生地ブランドとして有名なシクテスの180〜190番手。

このしなやかさはまるきり14ミクロンのサマーウールのようです。

美しい光沢、滑らかな肌触り、そして上品かつ鮮やかな発色。シクテスは日本ではまだそれほど知名度が高くないようですが、きっとその上質さに驚かれるでしょう。

もともとこれは、それこそアンナ・マトッツォやフライのような7〜10万円で販売されているシャツにしか使うことのできない最高級の生地なのですが、カミチェリア・ピッチリーロのマウリツィオがうまく一反だけ手に入れたとのこと。

そのためこんな特別価格で展開中なのです。

限定の生地ではありますが、一度手にしたらきっと次からもこのクオリティが欲しくなってしまうことでしょう。

皆さまに最高のクオリティを知って頂いて、水準を落とせなくなっていただくのが、洋服屋の仕事ですからね。

是非この機会に知らなくて良いもの知って頂けたらと思います。

それでは、ご機嫌よう。

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