2021年10月末 ナポリ出張レポート

こんばんは、プロフェソーレ・ランバルディ静岡の大橋です。

10月末にイタリア出張に行ってきたため、今回は現地の様子をレポート致します。

今回は非常に限られた時間のため、かなり絞った内容で仕事をしてきました。それでもこの時期に渡航してくる日本人はまだ殆どおらず、その結果より強い信頼関係を築くことにつながったことでしょう。

イタリア 現地の状況

何年も完成していなかったDUOMO駅もついに完成目前に…

現在のイタリア入国に関しては様々な書類を用意し、オンラインフォームに航空便を登録し、誓約書を書き…と色々な障壁があるのですが、今旅行する人はまずいないでしょうから省略しましょう。

肝心のイタリアの状況は既にコロナ以前と変わらない様子です。

感染者数も非常に少なくなった影響でEU圏内からの観光客も戻り、ローマなどはもはや人でごった返す状況。

それでも長いロックダウンや渡航制限に耐えられず閉業した会社や店も多く、日本と同様に空きテナントも目立つ状況でした。

各サルトリアの状況

ちょうど数日前にキートンの創設者チロ・パオーネが亡くなったということで、ナポリでは多くの職人が悲しみ、追悼していました。また年配のマエストロが増えていることで、ナポリもいよいよ世代交代目前という雰囲気が漂っています。

サルトリア・チャルディは中でもいち早く世代交代した工房です。最近では故レナートの工房としてではなく、エンツォ・チャルディ本人が評判を呼び始め、ロンドンやパリでのトランクショーでは更に多くの顧客がスーツをオーダーするようになりました。また各国の貴族のような非常な重要な顧客も着々と増えています。

というわけでサルトリア・チャルディは現在コロナ以前よりも忙しく仕事をこなしています。当店の注文もトランクショーに向けてまた増えており、トランクショーは日本の入国後隔離14日間が免除になり次第開催の予定で、エンツォもそれに向けて準備を進めています。

サルトリア・カラッチオーロ(ニコラ・ジョルダーノ)も変わらず忙しい状況です。東欧諸国の貴族やイタリア国内の富裕層がニコラ・ジョルダーノを圧倒的に支持しており、ダース単位での注文をしているためです。また当店のMTMや既成服、お客様納品前のお直し等も順調に進めております。

サルトリア・ピッチリーロは相変わらず現地の注文と、当店からの大量の注文にジャンニが毎日向かい合っている状況です。特にチャルディのトランクショーがコロナで開催延期になってからはピッチリーロのスーツ注文が集中しています。

ただでさえ手間のかかるフルハンドメイドをジャンニ本人が殆ど作りあげるため、少し遅れも生じていますが比較的順調に製作は進んでいます。カミチェリア・ピッチリーロもまた同様です。

ご案内

現在、当店は私一人で運営しておりますが、ありがたいことに非常に多くの注文を頂いており、ご連絡やご確認にお時間が掛かる場合がございます。ご了承いただけますと幸いです。

今後は自宅隔離が終了し次第、東京出張や店舗予約を再開予定です。

またナポリでカシミアやビキューナ含む多くの生地を仕入れてきましたので、東京でビンテージ生地受注会の開催も検討しています。もしご興味のある方はぜひお気軽にお問い合わせください。

それでは、どうぞよろしくお願いいたします。