このプロフェソーレ・ランバルディという店が大真面目になって久しい。
キャンペーンでは美しいソリッドカラーのウーステッドを紹介し、クラシックなコートにぴったりなカシミアをオーソドックスなチェスターフィールドでおすすめする……。
5年前の当店の姿を知っているお客様には物足りなく感じられても仕方あるまい。
しかしプロフェソーレ・ランバルディは健在である。今、(3週間にも及ぶイタリア出張を経た)私の手元にはありとあらゆるオーダースーツ店を凌駕するほどの怪しいビンテージ生地、それも魅惑的なチェックが大量にストックされているのだから。
今回は実に無造作に、それらを紹介していこう。
① Quadri Vintage #1(Wool & Cashmere)
これはナポリのビンテージ生地屋で見つけた一着だ。Colpo di Fulmine….いわゆる一目惚れというやつである。
美しくシックなグレーのベースカラーに、うっすらと入るアクセントカラーのペーン。グレーの中にもブルーの織糸が浮かび上がる、非常に複雑ながらも華やかになりすぎないジャケット生地だ。
ちょうどチェザレ・アットリーニのバンチで見るような、美しい色使いだ。
ウールカシミアの美しい光沢感、そして生地のわずかに起毛したしっとりとした風合い。ジャケットとしてのカジュアル感と、エレガントさを非常に高いレベルで兼ね備えた生地である。
NICOLA GIORDANO MTM ジャケット
通常価格 411,400円 → 297,000円(税込)※仮縫い付き。
② Quadri Vintage #2(Wool & Cashmere)
これはビンテージというよりは、まだデッドストックというべき生地だ。しかしイタリア・ビエラのFINTESが手がけたこのウールカシミアは……マスターピースだ。
ラグジュアリー感の漂うスレート・ブラウン系のグレンチェック。ベージュとブラウンの中間のこの色合いは、ジャケットとして仕上がったときにあまりにも美しい。(デニムにオフホワイトのタートルネックを合わせてこのグレンチェックを着た姿を想像して欲しい。)
そしてこの光沢感と柔らかさだ。ウールカシミアだが、手触りはまるでピュアカシミアである。今回紹介する生地の中でも圧倒的に柔らかく、滑らかで、手の平からこぼれ落ちるような贅沢な質感だ。
NICOLA GIORDANO MTM ジャケット
通常価格 411,400円 → 297,000円(税込)※仮縫い付き。
③ Quadri Vintage #3(Wool & Cashmere)
絶妙なトーンとデザインの美しさで言えば、このチェック柄に勝るものはない。
グリーンがかったグレーに、薄茶色のペーン。そして英国的でモダンな雰囲気のチェック柄。そこにウールカシミアの光沢が入って、非常にインプレッシブな一着だ。
クラシックなグレンチェックに比べると少し可愛さのあるチェックだが、それには明確なメリットがある……すなわち女子ウケが非常に良いということである。
このジャケットを着るなら、アースカラーでまとめた着こなしが良い。ダークブラウンのニットにベージュ系のトラウザー、もしくは薄手のコーデュロイとの組み合わせも良いだろう。
私ならチェンジポケット付きの、英国的なシングルジャケットだ。
NICOLA GIORDANO MTM ジャケット
通常価格 411,400円 → 297,000円(税込)※仮縫い付き。
③ Quadri Vintage #4(Wool)
一転して非常にクールな雰囲気のグレンチェックだ。
こちらはハイブランドのコレクションを思わせるモダンでミニマルなグレンチェックと、モノトーン着こなしとの相性が抜群なグレーのトーンが魅力だ。
生地感もビンテージウールのため、少しシャリ感があり、手触りはさらっとしている。非常に美しい立体感を描く春夏秋のスリーシーズンジャケットになるだろう。
上品なメランジ感……ジョヴァンニ・バッティスタ・ピラネージの素描のような何とも言えない線の揺らぎも美しい。ペーンが入っていないのも、モダンな雰囲気に感じられる理由だ。
カットソーやスキニーで黒系の着こなしをする人ならば確実に重宝するだろうし、デニムと白シャツで合わせてナポリの紳士のように着るのも良い。
NICOLA GIORDANO MTM ジャケット
通常価格 411,400円 → 297,000円(税込)※仮縫い付き。
I Quadri Vintage – イタリアの戦利品
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