子供の頃、クリスマスは毎年必ずやってきた。
小学生の頃は目を輝かせながらその特別な日を待っていたし、中学生になって親愛なるサンタ・クロースの正体に勘づいてからも、クリスマスの朝にはプレゼントに胸が高鳴ったものである。
大人になると、クリスマスはやってこない。自分自身で祝わない限りは、クリスマスのことなどすっかり忘れてしまうのである。思い出のショートケーキも、大きなローストチキンも、赤い包装紙でうやうやしく包まれたプレゼントも、今度は自分の手で準備しなければならない。
だが感傷的になる必要はない。私たちにはカシミアがあるからである。それもクリスマスプレゼントと言わざるを得ない、素晴らしいカシミアだ。
Top Cashmere……(最高のカシミア)
これほど美しいウーステッドカシミアを扱うブランドは、世界に一つしかない。キートンである。
ナポリに起源を持つ世界的ラグジュアリーブランドであるキートンは、イタリアファッション好きなら知らない人はいないだろう。
ビスポークの世界でも、キートンは常に話の種だ。しかしそれは主にキートンの生地の素晴らしさについてである。カシミア、シルク、それから超高番手ウール。そしてそれらの混紡。こういった贅を尽くした生地において、キートンの右に出るものはない。
あまりにも多くをキートンが占めるために、それらの生地がビスポークサルトリアに入荷する機会は少ない。そしていざ入荷したとしても、法外なほど高価になってしまうのが常なのである。
今回のウーステッドカシミアは、まさにそういった生地のひとつだ。入荷したルートは極秘だが、普通ならありえない「特別価格」の理由はシンプルだ。クリスマスだからである。
それにしても美しい色と、光沢だ。このウーステッドカシミアには、あのひんやりとした重さがある。
滑らかなウーステッドの手触りからサマーカシミアと分類すべき生地だが、目付けがよくある「薄く伸ばしたカシミア」とは全く異なる。これはフルハンドメイド、もっといえばビスポークのジャケットになるための生地だ。(これを既成服に使っていたのだから、キートンは贅沢である)
ウーステッドカシミアはホーランド&シェリーも、ドラッパーズも有名ブランドはこぞって展開しているが、それぞれのキャラクターは明確に異なる。
このキートン別注生地は、ロロピアーナによるものだ。艶やかで、貴族的。しかしウーステッドならではの強さがあり、まるでウールのようにコシがある。
これほどの質感を生み出すためには最高級のカシミア原毛が、それも通常よりも大量に必要である。ロロピアーナでなければ、こんな生地を織ろうとすら思わないはずだ。
そして故チロ・パオーネ氏が選んだ色柄も流石だ。ナポリ的で優雅。
世界中のどこを見渡しても、彼ほどにナポリのテイストを知り尽くした人はいなかったし、彼ほどにメンズのラグジュアリーを知り尽くした人はいなかった。もしかするとこの生地でジャケットを仕立てることが、彼のセンスを身にまとう最後に機会になるかもしれない。
Worsted Cashmere by Ciro Paone
1着限りである。
キャンペーンの内容は? “Regalo(レガーロ)”……プレゼントだ。
Kiton キートン ウーステッドカシミア2m 通常生地代 100,000円 → 特別価格 0円
※掲載後すぐ売り切れました。ありがとうございます。
つまり、このジャケットはこの価格表に書いてある工賃だけでお仕立て可能ということだ。もちろん早いもの勝ちである。
ご注文、お問い合わせはコンタクトフォームから。
それでは、良いクリスマスを!