【一点のみ】継承されるダブルブレステッド – Sartoria Ciardi

ナポリは特別な場所だ。

ローマに比べれば決して整然とした街とは言えないし、そこに住むことは簡単ではない。幻想の楽園とも言うべき甘美な世界と、ありとあらゆる困難がまるでコインの表と裏のように隣接している。

サルトリア・チャルディはその中で、悠然と存在し続ける光のようなものだ。ナポリの最も優雅なキアイア地区の歴史的なパラッツォにアトリエを構え、その半地下の工房で数人の職人たちが延々と手作業を続けている。

訪れる顧客は海外のビスポークファンだけではない。ナポリの有名なノタイオ(公証人)や貴族階級の人々、そしてナポリ屈指に有名レストランのオーナー……ナポリで最も華やかな世界の人々がこぞって訪れているのである。

「レナートはいつも言ってた。ダブルブレステッドはこうあるべきだ、ってね」

ちょうど私がアトリエで撮影をしているとき、有名な公証人の男性がダブルブレステッド・ジャケットの仮縫いに来ていた。

彼はレナートの頃から、つまり20年も前からこのサルトリアの顧客だ。もっといえば彼の父親もこのサルトリアの顧客で、このアトリエの扉を40年近く前からノックしていたのだ。

彼が「こうあるべきだ」と言ったダブルブレステッド、それはまさにアトリエに掛かっていた当店のジャケットだった。そう、これから紹介する一着のみの既製服だ。

継承されるダブルブレステッド

ダブルブレステッドのジャケットは、シングルに比べると型紙の自由度が高い。

だからサルトリアによってそのスタイルは全くと言っていいほどに異なるし、サルトリアの技術や感性も「冷酷なまでに」現れるのである。

サルトリア・チャルディにとって、彼の父親から受け継がれたこのスタイルこそがクラシックだ。

真っ直ぐと伸びるナイフのように鋭いラペル、比較的高めのゴージ。そして中庸な雰囲気のボタン位置と、さりげなく絞り込まれたウエストラインだ。ラペル

なんのことはないクラシックだが、そのバランス感はいざ真似しようと思っても難しい。そしてこのダブルブレステッドの存在感を圧倒的なものにしているのが、美しい肩と袖づけである。

サルトリア・チャルディにとって、マニカ・マッピーナ(雨降らし袖)は、あくまでナチュラルでなければならない。まるで重厚なオペラの幕のようにゆったりとしたギャザーが必要だ。それが美しい曲線を描く肩と相まって、芸術的な造形となるのである。

ラペルロールの美しさは、永遠のような手縫いのハ刺しによって生み出される。

当然、機械で縫えばこのような立体感は生まれない。

ステッチやボタンホールも工房の中で仕上げている。現代では滅多にお目にかかれないような美しいボタンホールだ。

この美しいジャケットは最高峰のビンテージ、DRAPERSのウーステッドカシミアを使った一着だ。手触りは滑らかだが、目が詰まっていて一寸の弱さも感じさせない。艶やかな光沢、そして深い色合いが魅惑的だ。

ダークネイビーのエレガントさに、パッチポケットとクラシックなダブルブレステッド。このまま優雅に着ても良いし、メタルボタンに交換してブレザーとして着ても良い。

継承されるダブルブレステッド。ナポリの美しい仕立て服の世界を象徴する一着を、是非この機会に。

Sartoria Ciardi – Worsted Cashmere 100% Double Breasted 46

TG. 46 肩幅 42cm 胸囲 51cm 胴囲 47cm 着丈 73cm 袖丈 59cm(未仕上)

通常価格 559,400円 → 特別価格 320,000円(税込)

※同様の生地にて既成サイズのMTOも可能。是非ご相談を。

ご購入はコンタクトフォームから。