おはようございます、プロフェソーレ・ランバルディ静岡の大橋です。
今日はこんな早くから記事を書いており、何かとお思いですね。
私はついぞ生活を改めることにし、夜は空が白茶けるまで、朝は太陽と共に起きて昼寝して、執筆に勤しむことを決意したのです。
ですからその第一弾として、先日入荷したSpacca Neapolis Tiesの絶版コレクションをご紹介いたしましょう。
Spacca Neapolis Ties 絶版コレクションが入荷するまで
なぜ今まで仕入れることのなかった、これらのアバンギャルドな色柄を今になって仕入れるのか。これにはまた大変な理由があるのです。
事の発端は、ニコラ・ラダーノが当店でトランクショーを開催するため、東京に迎えに行ったときまで遡ります。
人々に「無用の長物」ではないかと囁かれている私の巨大なマセラティのトランクは、単身アパート備え付けの冷蔵庫みたいに小さいのですが、ニコラ・ラダーノとパートナーのクラウディアは、そこには入りきらない莫大な量の荷物を持ってきたのです。
そこで私は取れてしまったドアノブを修理するためにわざわざ東京まで連れてきたアルファロメオの修理を諦め、2台で静岡に帰るという非常にVIPな状況になってしまったのです。
さてトランクショーは無事終了、彼らは最終日に荷物をまとめ始めました。そして私に向かって、彼らはこう言ったのです。
「多すぎて持って帰れなーい」
それもそのはず彼は4着以上のスーツ、革靴のスペア、大量の生地とネクタイ、生地バンチを持っていたのです。
では、どのようにして持ってきたのか?
かくして私はニコラが持っていたレアなSpacca Neapolis Ties スパッカ・ネアポリス 廃盤のビンテージ生地ネクタイを十数本と預かり、彼のビスポーク用生地を次のトランクショー開催地である韓国のラマルシェに直送することになったのです。
Nicola Radano ニコラ・ラダーノの冒険
Spacca Neapolis Ties スパッカ・ネアポリス ビンテージ生地の絶版コレクションは、ある意味ニコラ・ラダーノ 冒険の軌跡を辿るようなものです。
彼はいつもそのとき手に入ったビンテージ生地を使って、そのときにしか生み出せないものを作ってきました。私がニコラと知り合うきっかけになったのは、二本のアイリッシュリネンのネクタイ。
また私よりも先にニコラとコンタクトを取ってSpacca Neapolis Ties スパッカ・ネアポリスのネクタイを購入されていたお客様は、実にエレガントな光沢のあるネイビーソリッドのネクタイをお持ちでした。
例えばネクタイブランドで、そのブランドオーナーが柄を見ただけで「これはこの時期のだね」と言えるブランドがどれだけあるでしょうか。
Spacca Neapolis Ties スパッカ・ネアポリス、このブランドではそれが可能なのです。
ニコラ・ラダーノは言わば自分が作った全てのネクタイを覚えている。
彼のネクタイを所有することは、Spacca Neapolis Ties スパッカ・ネアポリスの軌跡を一部手に入れることに他ならないのですね。
そして今回入荷したSpacca Neapolis Ties スパッカ・ネアポリスは、その中でも特に鮮烈な印象を持つビンテージ生地のコレクション。
ニコラ・ラダーノが惚れ込んだ唯一無二のビンテージ生地で、作られたネクタイです。
このネクタイは20年経っても、忘れられることがないでしょう。
ちなみに今回入荷した中で以下のヨットのネクタイだけは、ニコラのオリジナルデザインですのでお間違いなきよう。
広大なメンズファッションの世界の中で、勇敢に冒険するニコラ・ラダーノの姿を描いた図です。
いや、どちらかというとトロイア戦争を終えて故郷を目指すオデュッセウスの壮大な物語を思い浮かべるかもしれませんね。
いずれにせよ、静岡でのトランクショーを終えてあの巨大なスーツケースを持ってイタリアへ向かうニコラ・ラダーノの姿は、さながらオデュッセイアのような様子だったのです…。