【サマーセール特別企画】ランバルディの生地棚 #3《Unique & Secret Classic》

さて、ランバルディの生地棚から選ばれた生地を夏のスペシャル価格でご紹介するサマーセール=Rambaldi’s Stock「ランバルディの生地棚」第三弾である。

第一弾 《Blu Mistero》ミステリアスなブルー

第二弾《Breathtaking Vintage》息を呑むビンテージ

(売り切れと表記が無くても既に商談済み、売り切れの物のあるので、まずはお問い合わせ頂きたい)

前回、そして前々回に紹介したものは実に個性的な生地達だ。今回は一気に趣向を変えていこう。

《Unique and Secret Classic》門外不出のクラシック。実に優雅で、王道で、そして圧倒的なクオリティを誇るクラシックな生地。私がこれまでキャンペーンにすることなく隠し通してきた、秘密の極上生地達だ。

Unique & Secret Classic No.1《Victory Again》

ビンテージを巡る熱狂の中で採掘され尽くしてしまった、Holland & SherryのVictoryという生地がある。非常に評価の高い生地で、当店でも随分多くを扱ったが、これに関しては完全に「売り切れ」てしまった。

だからこそこの生地を見つけた時の私の喜びは、文字に起こすことができないほどだった。

これはSuper 160’s ウールとカシミアを低速織機でゆっくりと時間をかけて織り上げた生地で、わずかに起毛感のあるウーステッド…….そう、まさにSupreme Victoryそのもののクオリティなのである。(もしかしたら光沢感はそれを上回るかもしれない)

この生地を織ったWOODHOUSEとHolland & Sherryのつながりは不明だが、Victoryを手にしたことのある人ならばこの生地が「Victoryと全く無関係」であると言われてもきっと納得いかないだろう。それほどまでに酷似している。

秘めたる意志のようにわずかに感じる力強いウーステッドの質感、それを包み込む滑らかなカシミアの手触り。そして一見して特殊な生地であることがわかる光沢感。

この美しい生地感に、うっすらと浮かび上がるグレンチェックの雰囲気がたまらない。うっすらとアクセントのペーンが入っているが、それもまたヴィンテージ感があって美しい。

この生地で仕立てるスーツがどれほど美しいか、くどくど説明する必要はないだろう。ダイアモンドがどのように輝くかを文章で説明するようなものである。

しかし一つ付け加えておくなら、この至宝の生地には最高峰の手仕事が必要だ。マエストロ・ジャンニ・ピッチリーロが仕立てるスーツのような。

—————————————————————————-

Sartoria Piccirillo スーツ MTM 生地・仮縫い&中縫い込み 

通常生地代 68,000円/着分のところ、大変お買い得になっている。
仮縫いと中縫いもサービスという、実に素晴らしい企画だ。夏だからさ!

—————————————————————————-

Unique & Secret Classic No.2《Re di Loro Piana》

ナポリのサルトリアには数多くの生地が眠っているが、ビンテージの中の最高峰はいつも決まっている。ロロピアーナだ。

特にロロピアーナの上質なウーステッドはナポリでも非常に高級で、上流階級の紳士達だけが選ぶものである。これはホーランド&シェリーやユーロテックスの愛され方とは少し違う。

ロロピアーナはナポリ湾に浮かぶクルーザーや、カプリ島の別荘や、カゼルタ郊外のガレージに眠るロールスロイスのように愛されているのである。

さて、このヘリンボーンのウーステッドについては……《Re》つまりキングだ。

それこそ貴族的なネイビーと輝かしいヘリンボーン。そしてダイヤモンドを散りばめたような光沢。ロロピアーナらしい最高級が全て揃っている。

だがそれだけでは私が生地をキングと呼ぶことはない。この生地はこの風合いでありながら、340g/mの重厚なウーステッドなのだ。

このエスコリアルをも超越する生き生きとした弾力と、英国生地のような腰の強さ、そしてロロピアーナ特有の天使のような手触り。この組み合わせをバンチで見つけることは、もう不可能だ。

もう何年も前から、ロロピアーナはこんな生地を作っていない。

第一に軽い生地で満足する人々に、素材が2倍必要な重厚なウーステッドを提供する必要がない。第二に繊細なタッチの仕上げにしなくてもラグジュアリーな風合いに織り上がるほど上質な素材は、今ではほんの僅かしか手に入らない。

ロロピアーナはかつてキングだった。もちろん今でもカシミアやビキューナの世界ではトップだが…..ウーステッドの世界で玉座に君臨していたのはもう昔の話だ。

そしてこの1着分だけタイムカプセルのように残っている素晴らしいウーステッドは、そんな時代に作られた最高傑作の一つだ。誰かが仕立てれば…..あとは懐かしむだけの時代が訪れる。

—————————————————————————-

Sartoria Piccirillo スーツ MTM 生地・仮縫い&中縫い込み SOLD

こちらも通常生地代 88,000円/着分のところ、仮縫いと中縫いサービスで大変お買い得にしておこう。
私は何か、手放すことで得られる新たな精神性のようなものに期待しているのかもしれない。

—————————————————————————-

Unique & Secret Classic No.3《Scabal 》

「この色を愛する人は、本当のエレガンスを知っている人だ」とある大物のマエストロが言ったのは、まさにこの色のヘリンボーンだった。

あのタバコの煙が立ち込める真っ赤なナポリのアトリエで、窓から差し込む光を頼りに生地の色味を確認した瞬間を覚えている。その緊張感も、静寂も、低く迫力のある声も。

スキャバルのビンテージというのは、生地そのものにマエストロのような大物感がある。

特にウーステッドのビンテージは、出会った瞬間に圧倒されるような存在感だ。それがこのヘリンボーンである。例えば政府高官しか手に入れることのできない幻の葉巻が、純銀のシガーケースから出てきたときのような感動を覚えた。

このガンメタリックに近いグレーのヘリンボーンは、仕立て服の中でも最も高貴なアバンギャルドに属するものだ。生地の堂々たる風格に合わせて、相応の靴やバッグが求められる。

しかし思いのほか着こなしやすく、スーツに仕上がればワードローブに欠かせない1着になるのも確かだ。白シャツでネクタイを着こなせばビジネスでも着こなせるし、あるいはタートルネックでカジュアルに着ることもできる。黒の靴を合わせればシックに、ブラウンを合わせれば洒脱に。これほど着こなしの面白いグレーも珍しい。

この生地は普段紹介しているGOLDEN LEAFに限りなく近いものだが、それよりもほんの少し番手が高く、艶感のある生地だ。

340g/mのウェイトに、限りなく目の詰まったウーステッドの滑らかさ。そしてウールの素材の上質さが生み出す光沢。(本当の意味で上質な生地を理解している人は、常にこういう生地を選ぶものだ。)

ダブルブレステッドで仕立てたくなる生地だがぐっと堪えてシングルのスーツを選び、チェンジポケット付きで仕立てよう。そうすればタートルネックやニットが合わせやすく、ジャケット単体でデニム等にも合わせやすくなる。

—————————————————————————-

Sartoria Caracciolo スーツ MTM 生地込み SOLD

—————————————————————————-

お問い合わせはコンタクトフォームから。