Sartoria Piccirillo カシミアシルク春夏生地ジャケット(仮縫い)

こんにちは、プロフェソーレ・ランバルディ静岡の大橋です。

今日は仮縫いを待っているサルトリア・ピッチリーロの春夏ジャケットをご紹介いたしましょう。

この実に美しく深いブルーの春夏生地は、私がロンドンで見つけた秘密のデッドストック。カシミアにシルク、ヘンプを混紡した極上のジャケット生地です。

ラグジュアリーな素材による宝石のような光沢と、カシミアを強く感じる滑らかな手触り。そしてヘンプとヘリンボーンの洒脱な生地感…。

ナポリでも滅多にお目にかかれない極上生地は、やはり英国の紳士達が隠し持っていたというわけです。

さて、通常MTMといえばサイズゲージを使用して仮縫い無しで仕立てるシステムです。

しかし当店ではサルトリア・ピッチリーロとのコラボレーションで、殆どビスポークと変わらない仮縫い付きのMTMサービスを提供しています。

例えば一般的なMTMでは、あらかじめ決められた箇所を採寸します。肩幅、胸囲、胴囲といった数値を取っていき、それをベースにスーツやジャケットを製作をします。

ですがこれがビスポークになると、話は全く異なります。

そもそも人間の体は、身長と体重を除けば殆ど数値で表すことができません。

いざ腕(足)の長さを定規や巻尺で計測しようとしても、どこが腕(足)の始まりなのか?という至って哲学的な問題に直面するでしょう。

では何を基準にスーツやジャケットを仕立てれば良いのでしょうか。

それは、職人の経験です。身体に「肩と腕の境目」は存在しません。大事なのは「どこを肩と腕の境目とみなすか」なのです。

職人はそのお客さんの好みやイメージを汲み取りながら、最適な数値を割り出していきます。しかしそれには実際に体型を見たり、確認したりすることが大切です。

そこで当店では写真や動画を駆使して、ナポリの職人にお客様の情報を事細かく伝えています。

サルトリア・ピッチリーロはトランクショーではないので、あくまでMTMです。しかし職人に伝える情報量と、職人が行う補正の量は明らかにMTMを超え、ビスポークさながらです。

現在のところ仮縫いもサービスで行なっておりますので、サルトリア・ピッチリーロのMTMをぜひご検討くださいませ。