3 Cashmere Vintage for Coat – イタリアの戦利品②

さて、予期せぬ「イタリアの戦利品」キャンペーン第二弾である。

とはいえ今回は全く趣向の異なる内容…..そう、コートだ。

美しい人生には、趣のあるコートが必要である。そして趣のあるコートには、一級品の生地が必要だ。

そういうわけで今回は、ナポリの生地屋で仕入れてきたビンテージカシミアのコートをご紹介しよう。

“GOLDEN CAMEL” Vintage Cashmere

男性のチェスターフィールドコートには三つの定番カラーがある。ネイビー、グレー、そしてキャメルだ。

ネイビーやグレーはスーツでも定番のカラーだが、キャメルというのはスーツはもってのほか、ジャケットでもそうそう仕立てることのない特殊な色だ。にも関わらず、コートというアイテムになった瞬間にキャメルは定番に…もっと言えば憧れのカラーになるから不思議である。

そして今回のコート生地はただのキャメルではない。光り輝くゴールデン・キャメルである。

これもまた、あのナポリのビンテージ生地屋で仕入れてきたものである。もったいぶった髭面の店主によれば…..これは私ではなく生地屋の店主のことだが……イタリア製の最高峰の極上カシミアである。

イタリア製かどうかは耳がないのでわからないが、そもそもこの手の生地はイタリア製以外を探す方が難しい。そして最高峰の極上カシミアかどうかは……一眼でわかる。

この光沢感、重厚すぎない軽快感、そして目の詰まった生地感。このカシミアで仕立てるコートは一見して特別感の漂う、ラグジュアリーな一着になるだろう。

私ならばシングルのチェスターフィールドだが、厚すぎない生地感を活かしてポロコートも良いだろう。なぜならポロコートは比較的薄手の生地で仕立てるとディテールがシャープで美しく仕上がるからだ。

“Grigio Brillante” Vintage Cashmere

色合いの美しさでキャメルに惚れ込んだ人は、もうこの怪しげなブログを読み進める必要はない。コンタクトフォームという便利なページから、問い合わせを送るだけで良いからである。

うっかりこの写真を見て、グレーが気になってしまった人にはもう少しお付き合い頂こう。

これは実はキャメルと全く同じカシミアの色違いである。このグレーの場合には、毛並みの圧倒的な美しさが際立つ。

暗すぎず、明るすぎず絶妙なトーンのチャコールグレーに、光の当たり具合で現れるシルバー系のグレー。この糸の組み合わせのおかげか、まるでセーブルやミンクのファーのように美しい毛並みが現れている。

このグレーは格別だ。グレーのカシミアは数多く存在するが、この毛並みのノーブルさはなかなか見かけない。

それにスーツとの相性が抜群だ。イタリア人らしく着こなすなら、ダークトーンのタートルネックに無地やストライプのライトフランネルスーツ、そこにこの生地で仕立てた軽快なビスポークコートだ。

個人的な趣味を推すならシングルのピークドラペル・チェスターコートに黒いベルベット襟を。スカラ座やサン・カルロ劇場にオペラ《マノン・レスコー》を見に行くときに、これ以上ないほどエレガント且つ華やかな装いができるだろう。

“NERO” Loro Piana Wool & Cashmere

黒。

昔は「イタリアといえばとにかく黒を避けがちである」といった情報がネットでも、人伝いにもよく流れていたものである。

確かに黒いスーツというのは、イタリアでは着られる機会は比較的少ない。だがコートになると話は別だ。黒のチェスターコートは、エレガンスの象徴である。

下に着るものを選ばず毎日着ることのできる使い回しやすさを持ちながら、最もフォーマルなオケージョンで活躍するコートでもある。(そして当たり前なことだが、黒髪の日本人が世界で最も似合う色でもある)

そしてこれはまさに、格式高さと使いやすさを兼ね備えた最高の生地だ。ロロピアーナのカシミアウールである。

圧倒的に重厚な生地感、600g/m近い重さだ。そしてぎっしりと目の詰まったウールの質感とカシミアのぬめり感を兼ね備えている。

それに…この質感だ。黒は色のない世界だからこそ、質感と仕立ての良さがものを言う。濡れた乙女の髪のように色気ある光沢に、芯を感じる力強い質感。美しいドレープを描き、堂々たる風格のコートに仕上がるはずだ。

私ならばクラシックなダブルのチェスターコートにするだろう。チェンジポケット付きのフラップポケットに6Bのオーセンティックな仕立て、そして着丈は目一杯長く。着る人の新たなトレードマークになるような一着だ。

3 Cashmere Vintage for Coat

今回は全て同じ金額にて、勿論1着ずつの早い者勝ちである。勿論サルトリア・ピッチリーロやサルトリア・チャルディでの仕立ても可能なので、別途ご相談を。

Nicola Giordano ポロコート 
通常MTM価格 499,800円

お問い合わせはコンタクトフォームから。

【オンラインMTMについて】
今回初めて行う企画である。
サルトリアの既成サイズや普段ご着用のコートを参考に袖丈や身幅、着丈等の数値を相談して決定。モデルやディテールを自由に選んでオーダー。オンライン完結だが、その分スペシャルな価格になっている。
コートに関してはフィッティングがジャケットほどシビアではないため、問題なく仕上がるはずだ。まずはご相談いただきたい。(すでにSartoria CaraccioloやNicola Giordanoをオーダー頂いたことのあるお客様は、着丈だけ指定してオーダー可能)

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