【ご納品】Sartoria Piccirillo ビンテージ Drapers リネンジャケット

リネンジャケットの美しさは、その立体感に宿る。これはエピクテトスの語録でも、マルクス・アウレリウスの自省録でもなく、洋服屋の店主の言葉である。

リネンはあまりにも魅力的だ。春夏のジャケットを思い浮かべた時に、リネンの姿を思い浮かべない人はいないだろう。(いるとすれば北極か、南極に住まいを構えている人物である)

しかしリネンは難しい。ウールに比べると形状を記憶する機能が低く、一旦シルエットが崩れてしまえばアイロンでプレスする以外にその佇まいを再生する方法もない。だから、リネンのジャケットはそのシワ感も考慮して「着流す」ものとして扱われている。

ところがこのサルトリア・ピッチリーロが仕立てたリネンジャケットを見れば、それが「着流す」どころかウールのジャケットに全く遜色のない美しいドレープを描いていることに驚くだろう。

包み込むような襟からショルダーにかけてのライン、そしてベルニーニの彫刻のようにドラマチックなカーブを描く背中のライン。リネン生地であること全く感じさせないシャープなシルエットと、リネンにしか表現のできない有機的な素材感の組み合わせは、それこそ動く大理石彫刻を見ているような感動である。

柄合わせも完璧だ。これはDRAPERSのビンテージリネンで、クリスタルを散りばめたような光沢と、南イタリア的なカラーコンビネーションの美しい極上のアイリッシュリネンである。だがこれほどの立体感を単体で描くほど重厚な生地ではない。ここにはジャンニ・ピッチリーロの魔法が、もっと正確な言葉で表現するならば「研究と経験」の成果が現れている。

美しいリネンジャケットが欲しければサルトリア・ピッチリーロを選べば間違い無い。そうすればジャケットの納品時はさることながら、永遠に変わらず極上のロールを描くラペルとウエストに吸い付くようなドレープで、5年後の自分をも感動させることができるからである。

勿論、リネンのジャケット生地も多数在庫しているのでご興味をお持ちの方はお問い合わせを。