こんにちは、プロフェソーレ・ランバルディ静岡の大橋です。今回は先日お納めしたスーツを簡単にご紹介いたしましょう。
EUROTEXのカシミア混ウールを使用して、サルトリア・ピッチリーロで仕立てた1着。
腰のある極上のウーステッドが、ジャンニの力強いカッティングによって立体的なラインを描く姿が大変美しい。堂々としたゴージとウエストの絞りの対比が、あまりにも芸術的です。
サルトリア・ピッチリーロのスーツは、世界で最もナポリ的と言っても過言ではない手縫い工程と、長いハンドワークによって生み出されるものです。しかしそのシルエットや仕上がりはむしろオーセンティックで上品な雰囲気。グローバルに通用する普遍的なエレガンスを湛えています。
「手作業の工程は美しいスーツを仕立てるための手段である」これがサルトリア・ピッチリーロの服に息づく哲学です。
手段と結果が逆転し、手作業であることを知らしめるために美しさを損なっているスーツはたくさん存在しましたが、結局残ったのはシンプルに美しいスーツです。
サルトリア・ピッチリーロとユーロテックスの組み合わせ、この彫刻的な美しさはギリシア・ローマ神話のように永遠に続いていくでしょう。なぜなら一切よどみのない本質的な美しさなのですから。