ファビオ・ソダーノ。
彼との出会いはかの有名なファッションブロガーであり、今世界で最も注目されているネクタイブランドの一つであるSpacca Neapolis スパッカ・ネアポリスのオーナーであるニコラ・ラダーノを通してでした。
ナポリに行くとき、私はニコラに尋ねました。
「このビンテージのスキャバルを任せるなら、どのサルトが良いかな」
すると彼は答えたのです。
「ファビオだね。間違いなく」
そしてその一言は完全な正解だったのです。

Fabio Sodano ナポリ仕立ての新世代を担うサルト

つい先日、私たちはナポリ仕立て界を代表するサルト、レナート・チャルディを失いました。
アントニオ・パニコやジェンナーロ・ソリートなどと並んで書籍や雑誌等にも数多く取り上げられたレナート・チャルディの仕立ては古き良き時代のナポリ仕立ての雰囲気を現代に伝えるものでした。

ナポリ仕立ては今、激動の時代にあります。
イタリアだけでなく世界中でこれほどまでにナポリ仕立てが注目されていながら、サルトたちは高齢化しておりその需要に供給が追いついていない状態です。

しかし私たちにとって非常にラッキーであったのは、彼らナポリ仕立ての一時代を築き上げたサルトたちが亡くなる前に、この時代がやってきたことです。
世界の注目がナポリに向いたことによって、ナポリ仕立てを継承していこうという若者たちが続々と現れてきました。
まだ実力では熟練サルトにはかなわないまでも、その情熱と真摯さは誰にも負けない、そんな若手サルト。

ファビオ・ソダーノはそんなナポリの新時代の先頭に立つサルトの一人です。
アットリーニやキートンで仕立てを学んだ彼は、まだ30代前半の若さでありながら10人規模の工房を率いて、老舗サルトリアに決して引けを取らない美しい服を仕立てています。

仕事は実に素早く、そして繊細であるのに対して、大柄でゆったりとしていて少し不器用な英語を話すファビオは、いかにもナポレターノらしい雰囲気。
昔ながらのナポリ仕立ての未だに求められる部分はそのままに、古くなった部分を廃す。すなわちダブルステッチやマニカ・カミーチャ、そしてラペルのシェイプなどは継承していきながら、やや厚めの肩パッドにゆったりとしたウェスト、そしてノーベントといったところは改めているのが彼のスタイルです。

いかにもナポリらしい軽快な仕立てに、堂々とした男らしさを感じさせるシルエット。対照的に花のような優しさを持つマニカ・カミーチャ。
この組み合わせが、ファビオ・ソダーノの仕立て服がドラマチックで芸術的に見える理由ですね。

また彼は常に他の職人たちに対し、敬意を示しています。
今やヨーロッパ中でトランクショーを行う一流のサルトとなりながら、今なお老練の職人たちに意見を仰ぎながら真摯に仕立て服と向き合う彼には、誰もが感心させられるでしょう。

ファビオ・ソダーノ。

数多くナポリに存在するサルトリアの中でも最も若いサルトリアの一つであるファビオ・ソダーノを取り扱うのは、ショップとしては冒険でした。

なぜなら老舗のサルトリアを扱うことに比べたら、知名度からして断然不利だからです。

しかしファビオ・ソダーノの仕立てた服を見たときには、もはや確信に近いものを手に入れたのです。

ファビオ・ソダーノは新世代のナポリ仕立てを牽引するサルトになるだろう、と。そして今から彼の服を取り扱うことは、プロフェソーレ・ランバルディ静岡にとって絶対に必要なことなのだと。

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