人が新たな一歩を踏み出すこと。
それはあのときからこのときまで幾度となく歩いた道を、まるで今日が初めてかのような顔をして歩いて、その町を永遠に去っていくようなものだ。
(店主)
また、このようにも言われている。
猫が新たな一歩を踏み出すとき。
それは晴れで良い気分のときなど、気まぐれで歩いていてうっかりと踏み出してしまうものだ。
人間もまたそのようにして新たな一歩を踏み出してみると良い。
(店主)
つまりどういうことか。
新たな一歩を踏み出してみるときには、バンチをめくっているその時の気分でちょっと気になった生地で頼んでみるのが良いんじゃないか?とそういうわけです。
例えばそれが普段であればオーダーしないような、ちょっと変わり種のブルーであったとしても…。
さて、今日は現在開催中のルイジ・グリマルディのオーダーキャンペーンの生地の中で、おすすめの生地をいくつか紹介しようというブログです。
(もちろんイントロを関係ない話にして、ブログからマーケティング感を減少させる作戦です。あまりに巧妙すぎて、きっと誰も気づいていないことでしょう)
さて、謎のマスタード色やシャーベットオレンジ色のジャケットを作ったりとオーダー失敗経験豊富な私に言わせますと、これらのティールブルーやスティールブルーといった色合いのスーツは、失敗しない。
それどころか素晴らしいトーンのスーツで出来上がってくることが期待できるのです。
ちなみに生地は左からAB08 AB29 AB10、全てドラッパーズです。
今回のルイジ・グリマルディのオーダーで受け付けているCLASSIC WORSTEDの生地シリーズの中では、やはり真っ先におすすめしたいのがこの三色なのですね。
私が去年オーダーしたモヘアのジャケットはもう少し明るい生地でしたが、きっと皆様も覚えていらっしゃるでしょう。
もし職場で上司に「大橋くん、そのスーツはちょっと色が明るすぎるんじゃないの?」と言われたら、「いえ、光の加減です」と言い切りましょう。
ナポレオンのごとき毅然とした態度であれば、まあ言われてみればそんなものか、と納得してもらえるはずです。
さて、それよりもダークスーツとしてパーティでも使えるようなスーツが欲しいなら?
おすすめはやはり、AB72 ホーランド&シェリーのダークネイビーでしょう。
決して非常に薄手の生地ではないので、どちらかというと相物に近い生地感ですが、この朝霧高原の星空のように深く上品なネイビーの色合いは、ホーランド&シェリーの生地だからこそなせるもの。
一年通して、どの季節にパーティに呼ばれても対応ができるのが魅力。
まずパーティに呼ばれる方法を知りたいって?
そうですね、プロフェソーレ・ランバルディ静岡の一周年記念パーティはいかがでしょう。ドレスコードは「ダークスーツ、もしくは夕闇のように艶やかに」とそんな具合で、この生地ならぴったりです。
最後にもうひとつだけ生地を紹介しておきましょう。
AB63 ホーランド&シェリーのデッドストック生地です。
ビンテージ感漂うメランジ&マイクロチェックのチャコールに、オーバーペーンのチェック。さらりとした強撚糸のウールでなかなか珍しい生地ですが、いつ頃のどのバンチかは残念ながら不明です。(ちなみに色違いのネイビーもあり、これで私は一着仕立てました)
そして、こんな生地はこの前の生地リストには載っていなかったですね。ブログをご愛読して頂いているお客様限定です。
もしご希望でしたらこのAB63という魔法の言葉をメールにてお伝えくださいね。
それでは、ごきげんよう。