Pierino va dal padre e gli chiede:
“Papa, come fa uno a capire se e’ ubriaco?”
E il padre gli risponde: “Li vedi quei quattro alberi? Quando ti sembreranno otto, sappi che sei ubriaco.”
E Pierino: “Scusa, papa, ma sono due alberi!”ピエリーノはお父さんのところに行き、聞きました。
「パパ,どうやったら酔っ払っていることがわかるの?」
するとお父さんは答えました。
「見なさい、あっちに4つの木があるだろう。あれが8つに見えたときには、酔っ払っていると思えばいいのさ」
「ごめん、パパ。でも木は2つだよ」
そして自分が酔っ払っているということがわかった私は、ついに正月休みから目を覚まし、記事を執筆することを心に誓ったのです。
Raffaele Silvestro ラファエレ・シルヴェストロ
私が今日皆さんにご紹介するのは、インスタグラム等で皆さんにもご覧いただいたであろうスーツです。
ラファエレ・シルヴェストロ。あのスティレラティーノも手がける工房にお願いして、ハンドメイドで作ってもらったスーツ。
そもそも、すでにサイズ46しか残っていないのに何故このスーツを紹介するのか。それはサイズ46だけ二着仕入れてしまったから。洋服屋にありがちなミスですな。
まあいいでしょう。
今回はこの特別なスーツが出来上がるまでの、数奇な物語を皆さんにご紹介いたします。
2017年の夏のある日、私はカチョッポリで生地を買うだけでは飽き足らず、その周辺にいくつか存在する生地商を回って自分のサンプルスーツにふさわしいであろう生地を探していました。
カチョッポリは自社の別注を扱う生地商ですが、ナポリにはちゃんと様々な生地をバラエティ豊かに扱う生地店が存在するのです。
私はその生地屋のひとつでホーランド&シェリーのアイボリーの生地を購入しているところでした。それは皆さんがブログやインスタグラムで見るサルトリア・ピッチリーロのスーツとなった、あの生地です。
その生地店には上の写真のイケメンなオヤジと、ビンテージ生地よりもよほどビンテージになりつつある老齢の店主がいました。
イケメンなオヤジが私の生地を探すのを手伝ってくれるのもあり、私はてっきりこのオヤジが生地屋のスタッフだと思っていたのです。
しかし彼はラファエレ・シルヴェストロ。実はサルトリアのオーナーだったのです。
そして何故か私はラファエレと共にカサルヌオォボの工房を見学しに行くことになったわけです。
実はカサルヌオォボのあるナポリ北部については、平凡な場所ではありません。例えば「マフィアの活動本拠地」「死の三角地帯」などが見どころとして有名な、実に興味深い場所なのです。
そういうわけでカサルヌオォボに向かう途中は、まさにウェルギリウスの叙事詩で冥界に下るアエネイスのような心持ちであったのです。また何と想像しにくい例えでしょう。
しかしサルトリアにたどり着いた。さらにはそのサルトリアがスティレラティーノも手がける工房であることを知ったのです。
マシンメイドのスーツは若い職人が仕立てていましたが、ハンドメイドのスーツを仕立てているのは熟練した老職人たち。彼らは後で知ったところでは、チャルディも認める凄腕のサルトだったのです。
そこで私は彼に、ハンドメイドのスーツをオーダーしました。生地は彼と出会った生地屋で購入したスキャバルのウール。4反を手渡し、写真撮影などを済ませるとラファエレは私はナポリまで無事返してくれました。
そして握手をして、私たちは別れたのです。
その数日後私はナポリを去った。素晴らしい期待が胸を高鳴らせていたのを、実に鮮やかに覚えています。きっと面白いものが出来上がる……もしかするとあれはうちの店のメインのブランドにさえ、なるかもしれない……と。
あの熟練の職人たちが一針一針ハンドメイドで仕立て、そしてベルトレスのクラシックな雰囲気と、あのスタイリッシュなスタイルを融合させる。これは特別スーツになる。
そして長旅の末にたどり着いた静岡駅で、実に数週間ぶりの魚河岸寿司を食べようかどうか迷っていたそのとき、あることがひらめいたのです。
(お金払ってくるの忘れちゃった)
この後どうなったか?それは皆さんがご存知の通りです。
ニコラ・ラダーノとエンツォ・チャルディの来日が実現し、サルトリア・カラッチオーロとサルトリア・チャルディが当店のメインのブランドとなった。それに並行してルイジ・グリマルディとの関係が深まり、既製服はグリマルディの取り扱いが本格的になってきたというわけですね。
私は考えていました。
お金を払ってこなかったのだからしょうがない。もう仕事も忘れてしまった頃だろう。うちでは扱うことのできないスーツだったのだ、と。
そんなある日、whatsappで思いもよらずラファエレからメッセージが届きました。
「できたよー!」
そうして私は、スキャバルの美しい春夏生地で仕立てたスーツを引き取るために(そしてお金を払いに行くために)、12月の冬の中ラファエレと会ってきたのです。
「やあ、FUYA。Tutto a posto?(こちらの記事を参照のこと)」
「見て。ほら、すごいだろ。袖のボタンホールも、美しいだろう」
「うん、美しいね。で、どうして既製服なのに本切羽になっているのかしら」
「ん?この長さならきっと大丈夫だよ、皆ぴったりだよ」
と退廃的な会話をしているうちに、私は試着したこのスーツが、驚くほど美しいことに気がつきました。
洗練されて都会的なあのデザイン、誰もが憧れるあの大きくゆったりとギャザーのよる芸術的な袖付け、そしてなんと目新しい手縫いのステッチとボタンホール。各所をハンドワークでこなした、ビスポーククオリティの仕立て。
私はすっかり気に入ってしまいました。
しかし残念ながら、もう店には十分なブランド数がある。
そしてこのスーツは、これほど特別なスーツでありながら、サンプル価格で販売される運命となったのです……。
残りサイズ46だけとなったこのスーツ。
もう二度とないかもしれない偶然のコラボレーションが生んだ、特別な一着。とってもお買い得なだけでなく、とてつもなく希少な一着なのです。