ニコラ・ラダーノ 芯無しセッテピエゲの限定ネクタイ

こんにちは、プロフェソーレ・ランバルディ静岡の大橋です。

ニコラ・ラダーノの来日トランクショーまであと9日となりました。お陰様で予約もかなり埋まっており、そろそろ締め切りが近づいております。

さてニコラ・ラダーノ本人が静岡にやってくるのを前にして、ずっと昔に発送されていたはずのネクタイがついに当店に到着しました。

めずらしくネクタイの紹介記事で、どうせまた奇抜な柄を仕入れすぎて、売れなさそうだからゴリ押ししようという魂胆だろう…と思いましたね。

(まあいつもは、あるいはそういう傾向もあるかもしれませんが)今回はそうではありません。

これは私がナポリの生地屋で見つけたビンテージウールを、ニコラ・ラダーノに特別に頼んで作ってもらったセッテピエゲのネクタイなのです。

Spacca Neapolis Ties スパッカ・ネアポリスの真髄とは

さて、このネクタイについて書く前にもう一度、このスパッカ・ネアポリスというブランドを皆さんにご紹介したいと思います。

というのも最近スパッカ・ネアポリスの知名度が上がってきていることもあって、このブランドの魅力や意義をもう一度しっかりと紹介する必要があると感じているのです。

スパッカ・ネアポリスはナポリの若手カリスマブロガーであるニコラ・ラダーノが、自身のブランドとして展開するネクタイブランドです。

彼はあのもしゃもしゃの髭面のために年上に見えますが、現在23歳で私よりもひとつ年下なのですね。ちなみに彼はまだ大学生です。

もともと様々なサルトリアを紹介するブロガーとして活躍していた彼は、自身が素晴らしいセンスを持つウェルドレッサーであること、そして更には優れたデザイナーであることを生かして、このSpacca Neapolis Ties スパッカ・ネアポリスを立ち上げたのです。

スパッカ・ネアポリスのネクタイの最大の特徴は、彼のデザインしたプリントシルクでしょう。

かなり派手な色柄である意味ビンテージ風ですが、これはニコラ・ラダーノ本人がデザインし、色を当てはめてコモのシルク工房でプリントしている生地です。

また彼はそれ以外にも多数の素晴らしいビンテージ生地をストックしています。そしてそういったビンテージ生地でネクタイを作ることもあります。

これはビンテージのシルクやウールを使用して、プロフェソーレ・ランバルディ静岡のお客様のために製作されたネクタイです。

ほとんど一点物なので2度と手に入らないネクタイも少なくありません。

ここまで書くと、「つまりなんでもあり」なブランドに思われてしまうかもしれません。しかしそれは間違いなくNOと言えるでしょう。

ニコラ・ラダーノは自分のスタイルを常に一貫しています。

ある夜、ポルティチにあるニコラ・ラダーノの自宅の横で、ナポリの夜景を眺めながら彼は自分のネクタイについての思いを語ってくれました。

「コモでシルクを仕入れて作っているあるネクタイブランドが売れていたとして、誰かがコモに行って同じ生地を買ったら、同じような売れるネクタイを作れてしまう。僕がやりたいのはそんなブランドじゃない。いつも、このブランドでしか買えないネクタイを作り続けていたいんだ」

そう、これこそがスパッカ・ネアポリスの一番の意義なのです。

プロフェソーレ・ランバルディの別注 『ニコラ・ラダーノ』モデル

さて、そんなスパッカ・ネアポリスですが、当店のモデルは他店で売られているものとはラベルが違うのにお気づきでしょう。

当店のネクタイはスパッカ・ネアポリスの中でも、特別に本人の名前を冠した『ニコラ・ラダーノ』モデルなのです。

(ちなみにこのラベルは私のデザインなのですが、彼がNicola Radanoの文字デザインを気に入ったらしく、通常ラベルも現在はこのNicola Radanoが小さく入るようになっています。)

当店別注のネクタイのテーマは、何よりも当店で取り扱っているナポリ仕立てのスーツやシャツに似合うネクタイであること。

例えば当店一押しのシャツブランド、カミチェリア・ピッチリーロのシャツ襟は、比較的クラシックで大振りです。

それゆえネクタイに少しボリュームを出すために、プリントシルクのシリーズはセッテピエゲや裏共地で別注することが多い。

そして後述いたしますが、当店別注のスパッカ・ネアポリスはニコラ・ラダーノが新しい挑戦や、アイデアを世界に先駆けて形にしていく「コンセプトモデル」でもあるのです。

ニコラ・ラダーノ 芯無しセッテピエゲ ウールネクタイ

今回の別注は、私がナポリの生地店で見つけたウールを使ったシリーズ。

数十年前のゼニアのウール(チェック柄とヘリンボーン)や、耳がなくてブランドもわからないしなやかなデッドストックウール(ブラウンとネイビー)を使用しています。

ウールのネクタイは、クラシックなウーステッドなスーツにはもちろんよく似合いますし、逆にややカジュアルな三者混のジャケットなどに合わせると、カジュアルになりすぎず絶妙な塩梅になります。

当店のお客様はカジュアルスタイルでのエレガンスや、バランス感を求められる方も多いため、今回はこんな生地で別注をしてみたという具合です。

先ほども書きましたように、ニコラ・ラダーノはどんな生地でも受け付けてくれるというわけではありません。その点だけでも、このウールたちの上質さをご想像いただけるでしょう。

コンストラクションは芯無しセッテピエゲ。

なーんて、実際にはこのうっかり某ブランドと見間違えてしまいそうな(スカーフのような)セッテピエゲが出来上がってくるとは思っていなかったのです。

「今度のネクタイは、すごいものを見せてあげるよ」

という意味深なWhatsappのメッセージを今になって理解しているわけですね。

ニコラ・ラダーノの思う「スパッカ・ネアポリス」の理念について先ほど紹介いたしましたが、もう一つ私の意見でこのブランドについて補足しておきましょう。

それは、スパッカ・ネアポリスはニコラ・ラダーノ本人と共に、常に成長を続けているブランドだということです。

言ってしまえば今回のセッテピエゲも全く新しい試みであり、コンセプトモデルでもあるのです。

幸いなことをに私は(無茶振りやナポレターノらしい失敗も含めて)その成長をとても近いところで見ています。

そして当店でスパッカ・ネアポリスを手に取るお客様もまた、彼の挑戦を一番近くで目の当たりにし、更には自分のものとすることができるのです。

こちらのネクタイは各1本ずつ(紺と茶は2本ずつ)の入荷で、しばらく店頭限定販売となりますが、ぜひこの機会にご覧くださいませ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA