こんにちは、プロフェソーレ・ランバルディ静岡の大橋です。

今日は大変な寒さに、ここ静岡でさえもなかなかの冷え込み具合です。

こうも寒くなったときにどうするか。

安直に考えれば売れ残った秋冬のジャケットを必死に宣伝するのですが、最近はビンテージ生地ばかり入荷しているせいで押し売りする売れ残りジャケットさえないという状況になっているのです。

ただし他にも、私が数々のビジネス啓発本やマルクスの「資本論」やルソーの「法の精神」等を読んで吟味した結果、

派手なチェック柄のジャケットばかりを仕入れるのは良くない

という結論に達したことも、十分な理由として挙げられるでしょう。

それはそれとして、今回入荷したビンテージ生地の中にドーメルのスーパーブリオという生地があります。

実は先日もネイビー無地のスーパーブリオも追加で入荷し、現在なんと100メートル近くのドーメル を在庫している状態となりました。

今回はそのスーパーブリオを皆さんにご紹介したいと思います。

Dormeuil Super Brio ドーメルのスーパーブリオ

このドーメルのスーパーブリオにしても前回ご紹介したマジックにしても、やはり私は当時を知らないため、きっと皆さんの方がよほどお詳しいことでしょう。

スーパーブリオはトニック、スポーテックスと並びドーメルの三大シリーズとも言える生地です。

当時はまだ織るのが難しく一般的ではなかったキッドモヘアを、スーツ生地として一躍有名にしたのがドーメル のトニックです。

このトニックはキッドモヘアらしいコシと光沢がありながら、しなやかも兼ね備え素晴らしい生地なのですが、何につけても重い。春夏というよりは春秋の生地なのですね。

それに対してスーパーブリオは250gとやや軽量であり、春夏をメインに着られる重さです。しかもこの重さの現代の生地に比べると圧倒的にコシが強い。

そのため軽快でありながらも美しいシルエットを維持し、シワにも強いという奇跡的な特性を持つわけです。

現在モヘアを紹介するときにはシャリっとした、という言葉を使いますが、昔のキッドモヘアはしなやかでハリコシもあるので、どちらかというとモチっとした感じが強いですね。

ビンテージのスーパーブリオはどこが違うのか?

なぜ同じように現在でもキッドモヘアを使った生地を作っているのに、風合いが異なるのか。

それにはモヘア自体の質と紡績方法の違いが関係しています。

まずはモヘアですが、現在は南アフリカが原産国として有名です。このドーメルのスーパーブリオが織られていた頃には、トルコ産のものが使われていたと言います。

それから、精紡機がフライヤー式で非常に低速で織られていたことは、この生地が非常に表情豊かで、しなやかなことに関係しています。

これを魅力と感じてしまうのが私たちビスポーク好きですが、この辺りは着用される場面にも合わせるべき部分でしょう。

キッドモヘアのしなやかな宝石

さて柄にもなく細かな話を色々としてきましたが、正直なところこんなことをいちいち覚える必要はありません。私もそこまでディテールに関心があるわけではないのです。

私がこのスーパーブリオを他のビンテージ生地よりもさらに多く入荷したのは、この生地が何よりも美しいからに他なりません。

キッドモヘアの光沢と、浮き上がる素材感。派手さはないが、織り上げる様子まで想像してみたくなるような味のある雰囲気。

例えば現代のスーパーカーを見たとき、確かに美しく魅力的です。しかし例えば1967年式のマセラティのクーペ、ミストラルを見たときにはむしろ何か物語性のようなものを感じてしまいます。

また完璧ではないが魅惑的で愛嬌のある車には、名前をつけたくなる。

私がドーメル のスーパーブリオを愛でる感覚は、そんなようなものです。

決して最近のSUPER 180’sやカシミアのような滑らかさや高級感があるわけではないし、色合いも最近のイタリア生地に比べれば落ち着いた発色です。

しかしそこには、懐かしい戸棚の中にすっかり忘れ去られていた宝物のような美しさがある。

単に古いから、味があるからというだけではありません。

最上級のキッドモヘアを贅沢に使用し、今では再現できないほどゆっくりと手間をかけて織られた生地はさながら、織り物でありながら宝石のような存在だからです。

是非皆さんも店頭で、この生地を手にとってご覧くださいね。

きっとこの感覚を理解していただけることと思います。

ちなみに色は全部で6色(写真のベージュは売り切れです)ございます。どれも1〜2着ずつといった具合ですから、お早めにお問い合わせくださいませ。

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