こんばんは、プロフェソーレ・ランバルディ静岡の大橋です。
皆さま、お正月はいかがお過ごしでしょうか。
私は店始まって以来の多忙ぶりに、12月31日23:59に仕事納め、1月1日0:00に仕事始めという実にエキセントリックな年越しを致しました。
しかしこれもひとえにお客様から沢山のオーダーやご注文を頂いたからでして、私にとっては嬉しさしかありません。
さて、本日はお納めしたサルトリア・カラッチオーロのスーツをご紹介します。
Sartoria Caracciolo × Super 140’s
このスーツは、あまりの美しさにお納めしながら感激してしまいました。
ナポリにある秘密の生地店で見つけてきたSuper 140’s ウールは、今回キャンペーンでお客様にオンラインでご注文頂きました。
その生地が生み出す雰囲気は圧倒的。
最高級のウールが生み出す濡れたような光沢、そしてブラックを超える深さと言っても過言でない極上のネイビー。無地のスーツであるにも関わらず、誰もがうっとりと視線を奪われてしまう圧巻の存在感を誇ります。
サルトリア・カラッチオーロならではの優雅な袖付が、素晴らしい陰影を生み出しています。
またインスタグラムにて写真をご覧頂いたお客様も多いかと思いますが、今回は仮縫いオプションを追加したため、非常に美しいフィッティングになりました。
サルトリア・カラッチオーロはナポリ仕立ての中でも実にオーソドックスな仕立てです。30年以上前のジャケットと比べても、大きく違う部分を見つける方が難しいほど。
絶妙なゴージライン、そしてラペルの太さ。優雅にギャザーを寄せた雨降らし袖など、全てにおいてクラシカルです。
またディテールにおいても手抜かりはなく、常に緻密なハンドワークにて仕上げられます。
例えばボタンホールはボリューム感があり、ハンドメイドらしさ溢れる雰囲気。当店のオーダーするサルトリア・カラッチオーロのステッチは熟練した職人が担当するため、他店別注の既製服よりも綺麗です。
当店では一番コストパフォーマンスに優れるサルトリアのため、ナポリ仕立て愛好家の皆さまには敬遠されがちなのがサルトリア・カラッチオーロ。
しかしこの工房が仕立てるジャケットやスーツは決して入門グレードではなく、むしろ非常に本格的なもの。(ジャンニ・ピッチリーロやチャルディが少し特殊なのです)
オンラインでMTMやMTOが可能なので、ぜひ一度ご相談ください。
Sartoria Caracciolo × Scabal Vintage Mohair (Montego Bay)
実は今回、2着同時のお納めでした。こちらはスキャバルの希少なビンテージ生地、モンテゴベイを使用したスーツ。
とてもお洒落なミディアムグレーのソリッド。ビンテージモヘアならではの美しい杢が入っており、実に趣きのある仕上がりです。
モンテゴベイは個人的にも大好きな生地ですが、定番色はお客様にオーダー頂いてかなり在庫が減っています。
まだいくつか無地グレー等ありますが、それが終わった際にはバツの悪そうな表情でメランコリックなマルチストライプをお勧めすることになるでしょう。ビンテージモヘアがお好きな方は今なら在庫色々ありますので、お早めにお問い合わせを。
ナポリ仕立ての中でも軽快な仕立てを特徴とするサルトリア・カラッチオーロですので、パリッとした生地感のモヘアとの相性は抜群です。
丁寧なハンドワークが生み出す立体感が、モヘアのコシでさらに強調されメリハリのあるシルエットを生み出しています。
また、個人的にはサルトリア・カラッチオーロの袖付けとモヘアもまた相性がいいように感じます。肩パッドを用いないため非常に軽快で柔らかく仕上がりますし、何よりもふんわりとして美しい。
ラペル、胸ポケット、ボタンホールの位置など実にバランスが良いですね。
もちろんトラウザーも素晴らしい作り。内側で見えないボタンホールも勿論手縫いですし、裏地の縫い目にも存分に手縫いを用いています。
当店では時期に関わらずツープリーツが人気です。ベルトループ付き、ベルトレスは半々といったところでしょうか。
(私はベルトレス一択でしたが、それは何故かといえばアブダビ空港のセキュリティチェックでベルトをとり忘れて、靴まで脱がされることが無くなるからです)
それでは、ご機嫌よう。