こんにちは、プロフェソーレ・ランバルディ静岡の大橋です。
本日ご紹介するのは、英国の老舗FOX BROTHERSの生地を使用した、サルトリア ・カラッチオーロのスーツ2着です。
初めてオーダー頂いたお客様ですが、サルトリア・カラッチオーロのスーツの雰囲気、生地感共にとても気に入っていただけました。
こちらはいかにもフォックス社らしいフランネルを使用したスーツ。
重厚感のある生地でありながら、サルトリア・カラッチオーロの軽快な仕立てで、重さを感じない雰囲気となっています。
英国的な生地と、ナポリの仕立て。相入れないように思える二つの要素ですが、実はその相性は抜群です。
ご存知のように、イタリアには強い「英国への憧れ」が存在しています。アングロフィリアと呼ばれるものですね。
ナポリは特にその憧れが強い場所です。
18世紀にグランドツアーの終着地として数多くの英国貴族たちが訪れたこともあり、その影響をじかに受けているのかもしれません。マリネッラがその昔、英国洋品店だったのはつとに有名です。
また高級なセレクトショップになると、エドワードグリーンのような英国靴を取り扱っていることを誇らしげにしています。
仕立ての世界においても、これは同じです。もちろんイタリアの生地も人気ですが、ホーランド&シェリーやハリソンズ、そしてフォックス社の生地がどれほど愛されていることか。
中でもフォックスはナポリの人々が思う、究極の英国趣味です。
このフランネルを使ったスーツを、(そこまで寒くないにも関わらず)ばっちり着込んで12月のキアイア通りをパートナーと歩くというのが、彼らにとって最高の瞬間なのです。
さて、次は同じフォックスですが夏物フレスコを使用したスーツ。
これまた英国的なグリーンのグレンチェックを、サルトリア・カラッチオーロらしい軽快な仕立てでスーツに。
スーツでのこの生地セレクトには、間違いなくサルトリアで職人たちがうっとりしたことでしょう。
「Che bello…….stile Inglese……(素晴らしい英国スタイルだ….!)」
という具合です。
個人的にもサルトリア・カラッチオーロでたくさんのジャケットを仕立ててきたのですが、フォックス社の夏物フレスコは、中でも格別このサルトリアと相性の良い生地です。
パリッとした生地感と、副資材を減らしたナポリらしい仕立ての絶妙なバランス感。美しいシルエットを実現しながらも、実に味わい深くもあるのです。
この雰囲気にピンときた方は、ぜひこの夏に向けてオーダーを。
このスーツのように、輝かしい英国趣味の漂う生地セレクトで、ナポリの職人たちを唸らせようではありませんか…!