こんにちは、プロフェソーレ・ランバルディ静岡の大橋です。
昨日はEDMが流れ、バカルディのネオンサインが青く光るような……専門用語で言うところの「チャラいバー」でしこたまスコッチとテキーラのショットを飲んでいたため、恐ろしい二日酔いの中の目を覚ましました。
この災難を乗り切るために荘厳なる合奏協奏曲(二日酔いの朝にはもちろんアルカンジェロ・コレッリの第8番です、念のため)を流し、朝食にパンケーキを食べる。
そして私はついにある手段で、爽やかな朝を迎えることに成功したのです。
そう、それはナポリの職人が仕立てた、上質なリネン100%の白シャツをまとうこと……。
白リネンのシャツは恐れずに着ること
さて、白シャツを着るときに最も大事なのは、あらゆる恐れを捨てることです。
昼に食べるスパゲッティ・ポモドーロのトマトが飛んだらどうしようとか、あるいは白のパンツと合わせたら脱いだときに18世紀貴族の下着姿のようになってしまうのではないか、とかそういった恐れです。
白シャツは、戦闘馬から降りて甲冑を捨てた我々現代の男にとって、唯一の武器とも防具とも言える服なのです。
どんなジャケットにも、トラウザーズにも似合います。白シャツが似合わない男というのはそうそういるものではありません。
誰もが白シャツを自信を持って着こなすべきであり、その白シャツは自分のスタイルや考えがしっかりと反映されているものを選ぶべきなのです。
そういうわけで今回は、Cesare Attolini チェザレ・アットリーニのリネン100%シャツを着ています。雨降らしのギャザーが美しいこのシャツは、大きめの襟とスマートなシルエットで、非常に優雅な雰囲気です。
リネン100%のシャツはシワが目立ちますが、それもまた風情があるというもの。白のリネンシャツを着こなすときには、シワを恐れてはいけません。
もちろんアイロンは当てますが、あまり神経質にならずにそこそこシワを伸ばしておけば問題ありません。
具体的にどのくらいかって?
専門的な表現をするのであれば、「アイロンを当てたか当てないかという問題を、どのくらい当てたか、という程度の問題に持ち込んで法廷で有利に立つ」くらい(?)のアイロン掛けで結構です。
今日は二日酔いなので、矢継ぎ早に適当なことばかり言っているのは、許していただくとしましょう。
Kitonのジャケットを合わせて
この気持ちの良いシャツに合わせたのは、キートンの格子柄ジャケットです。
ドラッパーズを思わせるざっくりとしたカシミアシルクリネンを使用したジャケットは、リネンシャツとの相性が抜群に良いですね。
キートンのジャケットならではの柔らかな仕立てはもちろん魅力的ですが、やはり一番注目すべきはその仕立てでしょう。
美しく丁寧でクラシックな仕立ては、春夏の少しカジュアルになりすぎる装いを、ぐっと引き締めてくれるものです。
春夏は着こなす色や柄が明るく、派手なものが増えることもあって、着こなしのバランスが崩れてしまいがちです。
オッドヴェストやアクセサリーなどカジュアルなアイテムを重ねて、ポケットチーフやスカーフを用いたスタイルは一見すると華やかですが、本物のエレガンスからは遠のいてしまいます。
春夏の着こなしには美しくクラシックな仕立ての良さと、一つの華やかな柄があれば十分なのです。ですからこのキートンの格子柄ジャケットが、非常におすすめなんですね。
そしてそのキートンをこの上なく引き立てるのが、先ほど紹介した白のリネンシャツなのです。今回はさらに白のコットン・リネンのトラウザーズを合わせて、明るくシンプルなコーディネートにしています。
白シャツに白トラウザーズで大丈夫なのか?
大事なのはジャケットを腕に抱えて、二日酔いのことなどはつゆ知らぬというふりをしながら天使面で歩き回ることです。
シンプルな装いこそ、アクセントカラーが役に立つ
さて、今回の着こなしの中で少し強めのアクセントになっているのが、このグリーンのポケットチーフです。
お馴染みFiore di Tascaのリネンチーフで、サマーオリーブのような色味が美しい手縫いの一枚ですね。
実はFiore di Tascaのリネンチーフにはカラーバリエーションがあり、ジャケットと同系色のブルーもあるのですが、今回はあえてグリーンを選んでいます。
こういったアクセントカラーは、シンプルな着こなしのときに、とても役に立ちます。全体に抑揚がついて、面白みが出るのですね。
ちなみにこのコーディネートで柄シャツを着ていたら、私はきっと白無地のリネンチーフを選んだことでしょう。
今日の靴も、ベッタニン&ベントゥーリのグッドイヤーウェルトのモデルです。
それでは、よい週末を。
今回登場したKiton キートンのジャケットはこちらでご購入いただけます。