こんにちは、プロフェソーレ・ランバルディ静岡の大橋です。

今日はローマの駅近くのホテルに早くからチェックインして、ルーフトップバーでこれを執筆しております。

私にとっては「ナポリは家族、ローマは恋人」ということで実はローマには並々ならぬ思い入れを持っています。

その割になぜ、ホテルにこもって記事など執筆しているのか。

ローマは昼間に色々な名所を巡り歩いても、その本当の魅力に気づくことは難しいのです。

ローマを存分に楽しむには、ローマにいながらただローマを感じること。

例えば昼間はルーフトップバーでネグローニを飲み、遠くにサン・ピエトロ大聖堂やヴィットーリオ・エマヌエーレ二世記念堂などを望みながら仕事をするのが良い。

しかし日が暮れたら別です。夜のローマは散歩のためにある。

ありとあらゆるところにベルニーニの彫刻、街全体がバロックと古代ローマの建築で彩られてライトアップされたローマは、どんな博物館よりも感動的です。

現代に生まれてよかったと思うことは?ライトアップされたローマの街並みを見られること。現代に生まれて残念に思うことは?交通渋滞のないナポリを見られないこと…。(洋服屋の店主)

さて、こうしてローマに一泊することにしたのは、これこそを私の夏の休暇にしようと思ったからです。

「イタリア、いいですね〜!」と皆さんに言われるのですが、実はナポリに入った瞬間私は完全に仕事モードになってしまい、優雅なバカンスとはかけ離れた過酷な日々が始まってしまうのです。

そのため大抵、休暇はナポリ以外で過ごしているのですね。

一泊だけですし、ただ日中は仕事して夜散歩するだけですが、それで十分なのです。(ローマのどれほど魅惑的なことか!)

逆に仕事一色のナポリではどんな風に日々を過ごしているのか、気になる方もいらっしゃるでしょう。

そこで今回はバイヤーの仕事とは?ということで、ナポリの日々を描いてみようと思うのです。

バイヤーの仕事とは?

さて(他のバイヤーの方と話す機会がなかったので結局自分のことしかわからないのですが)私はバイヤーの仕事とは、現地の空気とクラフトマンシップを伝えることだと考えています。

そのため日々しているのは数千枚に及ぶ写真撮影、PV作成のための動画撮影、そして現地のサルト達とのコミュニケーション、それから最後に発注と新しいサルトリアやブランドの開拓です。

往々にしてバイヤーの仕事とは、オーダーすることにあると思われがちです。

どの「ブランド」に、どんな「ディテール」と「生地」で流行やニーズを読んでオーダーをするか。それは確かに大切なことです。

今期はこの生地!とか今期はこの仕様!という流れはやはり存在しています。

しかしお客様が求めるのはその一着の服、自分が買うかもしれない服のバックグラウンドにある、ストーリーではないでしょうか。

どんな性格のサルトが、どんなことを話して、どんな冗談を言いながら仕立てるスーツなのか。どんなお客さんが仕立てているサルトリアで、何が他とは違うのか。

そして数あるサルトリアの中で、どうしてそのサルトリアでなければいけないのか…。

それを伝えることこそがバイヤーの仕事なのですね。ですから朝9時から初めて夜8時まで、8割は写真や動画の撮影をしているのです。

そしてコミュニケーション。完璧ではないイタリア語でも、直接話して雑談も積極的にすることで、サルトの人間性を知ることができます。

既存のサルトリアとのアポイントメントがない日は、新しい生地屋やサルトリアを訪れ、足で良いものを探していきます。

交通渋滞がひどくタクシーでも歩いても同じ時間がかかってしまうことも多いナポリでは、文字通り靴がすり減っていく。

しかしいつもキアイア地区のランバルディ邸からサルトリア・ピッチリーロまで歩いて往復していたのが、片道6kmあったとは。

空気を伝えるには、空気を感じる

「ちなみにナポリではどんなホテルに泊まるんですか?」と聞かれることもあります。

いつも私は貸しアパルトメントか安いB&Bに泊まっています。これまで数ヶ月分もナポリにいて、ついぞホテルに泊まったことがないのですね。

もちろんナポリにはエクセルシオールやパーカーズのような良いホテルもありますし、聞いた話ではバイヤー関係の仕事の人もそれらに泊まることが多いといいます。

私がホテルに泊まらないのは単に、出張のときに贅沢をすればその分がお客様の負担になる、という理由が一つです。

同じ理由で我慢すれば済む飛行機はできるだけ安い航空券で行きます。なんとなく楽をするために贅沢をするのと、経験のために「価値のある贅沢に挑戦する」のでは意味が違います。

「フウヤは本当にスパゲッティ・アル・ポモドーロが好きだね!」 – エンツォ・チャルディ

もう一つは、現地の空気を伝えるには現地の空気を感じないといけないと思うからです。

もちろんラグジュアリーなホテルも休暇で泊まるのは好きですが、ナポリでは上から見ていてもその空気が感じられない。だからできるだけ現地の人々の生活に近い形でステイしたいのです。

ナポリ、あの驚くべき深淵のような街に、明日の夕方には到着するでしょう。

今回はみなさんにどんなストーリーをお伝えできるか。私も楽しみにしながら、つかの間の休息を楽しんでいます。

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