こんばんは、プロフェソーレ・ランバルディ静岡の大橋です。
昨日と今日は涼しい風が吹き、まるで秋のような朝を迎えましたね。おかげでついにジャケットを着て外出することができる、というものです。
しかしそうは言ってもまだ日中の暑さを無視することはできません。そんなときに素晴らしい相棒になるのが、リネンのジャケットです。
写真では少し見えにくいですが、こちらはSartoria Ciardi サルトリア・チャルディで新しく仕立てたアイリッシュリネンのジャケット。リネンとしては薄くはありませんが、決してヘビーウエイトではありません。280g/m程度の生地感です。
グリーンにブルーの糸が織り込まれているため、光の加減で色合いが変化する面白い生地です。ちなみに裏地はエンツォ・チャルディが織り糸の色を拾ってブルーを合わせてくれました。
さて、それは良いとしてリネンのジャケットについて、みなさん一度はお考えになるでしょう。
本当に涼しいのか。
確かに夏の日本ではあまりにも湿度が高く、暑いためにどんな生地であってもジャケットを着ること自体が不可能であるようにも思えます。
私自身もかなり暑がりなので、日本の夏に外を歩くときにはジャケットを着ません。シャツ一枚で歩き、手に持ったジャケットを室内でエアコンが強く感じられるときに着る程度です。
しかし、海外で暑い場所に行ったりするときには、真夏にジャケットを着て歩くことも少なくありません。そのとき選びたくなるのは、やはりリネンです。
夏で気温が高い場所だとしても、湿度が高くない場合にはリネンのジャケットが非常に快適に感じられます。これがイタリア人たちが、夏でも平気でジャケットを着て颯爽と歩いている理由なのです。イタリアは総じて湿気が日本より低く、気温が高くても過ごしやすく感じます。
リネンは生地自体の通気性が良いのはもちろんのこと、張り付かず常にシャツとジャケットの空間を保ってくれます。長袖を着ることで直射日光を避けられるのも、大事なポイントです。
気温が40度近いところでも、乾燥していればジャケットは着られます。また写真のように屋根のある建物の影に入れば、すぐに汗も引き、平常に戻るものです。
ちなみに英国紳士たちが夏でもジャケットを着ているのは? そもそも日本人のお眼鏡にかなうような夏は、英国に存在しないのです…。
日本のように湿気がある場所には熱がこもってしまい、ベタべタとするのでジャケットを着用すること自体が難しいと言わざるを得ません。
真夏のリネンジャケットは私たちを救うか。
正直なところ、湿気の多い場所ではその効果はあまり感じられないかもしれません。
しかし乾燥した暑い場所を訪れるときや、昨日・今日のようなふと秋を感じさせる日にはリネンのジャケットが実に心強く感じられるでしょう。
真夏にリネンが全てをできるわけではないが、真夏にリネンができないことは誰にもできない。
と、そういうわけなのです…。