【売り切れ】Sartoria Caracciolo MTM 特別価格キャンペーン《Cinque Ispirazione》

こんにちは、プロフェソーレ・ランバルディ静岡の大橋です。

今日はSartoria Caracciolo MTMのキャンペーンのご案内です。

Sartoria Caracciolo《Cinque Ispirazione》
5着限定 ビンテージ生地のMTM オンライン特別価格キャンペーン

今回は希少なビンテージ&デッドストックから5つの生地を厳選。

春夏にぴったりな生地をご用意いたしました。

当店のオンラインストア ページにてご注文いただくと、通常の店頭価格よりも大幅にお得な価格にてMTMをオーダーいただけます。

(例)

Sartoria Caracciolo スーツ ベーシック生地 通常 302,500円(税込) → キャンペーン価格 250,000円

Sartoria Caracciolo ジャケット ベーシック生地 通常 250,800円 (税込)→ キャンペーン価格 200,000円

今回選ばれた5つの生地限定のキャンペーン特価です。

ご注文後、原則として3ヶ月以内にプロフェソーレ・ランバルディ静岡にご来店いただき採寸をいただくか、サイズゲージをお客様のお手元に送付し、ご試着いただいて調整をする形にてお仕立てとなります。

すでに以前Sartoria Caraccioloをご注文いただいたことのある方の場合には、オンラインでご注文が可能です。

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2月25日23;59までオンラインストア10%OFF クーポンご利用可能!

更に20,000円〜25,000円の割引が適用されます。

クーポン【shop90thx

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【生地】

美しいビンテージのリネン、スキャバルのデッドストック春夏ジャケット生地。

英国ミルの軽快なホップサックに、最高級ウールのスーツ生地など。

5種類の生地をご用意いたしました。

※それぞれ一着分ずつ、売り切れ次第終了です。

【内容】

Sartoria Caracciolo MTM
納期 採寸後 約4ヶ月
仮縫いオプションあり(+20,000円)
ガーメントのみ付属

【その他】

・生地を実際にご覧いただいて変更を希望される場合には、通常のアップチャージにて生地変更が可能です。

・差額でお得に他のサルトリアへの変更も可能です。

・お仕立てのキャンセル・返品等はできませんのでご了承ください。

・先着順のためご希望の生地が売り切れの場合がございます。

【ご注文】

ご注文はオンラインストアにて。

お問い合わせはこちら

 

【東京 & 静岡】12/10〜 EUROTEX ユーロテックス 10着限定 キャンペーンのご案内

こんばんは、プロフェソーレ・ランバルディ静岡の大橋です。

今回ローマの老舗生地商EUROTEX ユーロテックスの生地を、東京『アンニセッサンタ』とプロフェソーレ・ランバルディ静岡の両店舗で取り扱い開始いたします。

そこで、先日のブログで予告をさせていただいた通りキャンペーンを開催!とてもお得な内容となっております。

現在日本ではここでしか手に入らない極上の生地を是非、この機会にご覧くださいませ。

『EUROTEX ユーロテックス 5着限定キャンペーン』

キャンペーン内容

期間中にご来店頂きEUROTEX ユーロテックスでオーダーいただいたお客様(先着10名)対象

お仕立て総額から10%OFF

例:EUROTEX SUPER 130’s × Sartoria Caraccioloでスーツお仕立ての場合

総額 323,000円(+税) → キャンペーン価格 290,700円(+税)

対象ブランド

  • Sartoria Piccirillo サルトリア・ピッチリーロ
  • Sartoria Caracciolo サルトリア・カラッチオーロ
  • Sartoria Borbonica サルトリア・ボルボニカ

開催期間

12月10日〜12月22日(要 事前予約)

※オーダーが10着に達し次第、終了とさせていただきます。

開催場所

東京『アンニセッサンタ』

プロフェソーレ・ランバルディ静岡

ご予約・お問い合わせ

イメージに合う生地や、お探しの色柄を探して写真をお送りいたします。

まずはお気軽にお問い合わせくださいませ。

EUROTEX ユーロテックス – 60年代フェラーリと大理石の別荘を買う喩え

鮮やかな日の差し込む朝、冬の訪れを遠くに感じながら。

相変わらずルチアーノ・パヴァロッティに偏ったオペラを流しつつ、ありとあらゆる空間を埋め尽くす生地をたたんでは開いて「ああ、なんと美しい」とうっとりしていた私は、何かをすっかり忘れているような気がしました。

「はて、いったい何を忘れているのだろうか?」

私はすっかり何も思い出せないままに、静岡のしがない洋服店のブログを開いてぼんやりと眺めました。

すると気がついたのです。

ブログがめっきり書かれていないということに…!

Gloria all’ebbrezza e all’amore che ha vinto
e al Blog la pace ridà,
la pace ridà!

栄光あれ 勝利した陶酔と愛よ
ブログに平和がよみがえる、
平和がよみがえるのだ!
『トゥーランドット』- ジャコモ・プッチーニより

EUROTEX ユーロテックスの再来

さて今回は私の稚拙な執筆が千万の時を経て復活しただけでなく、大変素晴らしい生地の久しぶりの日本再来という記念すべきブログなので、今しばらくお付き合いいただきましょう。

EUROTEX ユーロテックス。

イタリア語の発音にこだわるのであればエウロテックスと書くのが良いのですが、カラッチオーロ=カラッチョロの表記問題と同じく、ここは読みやすいユーロテックスといたしましょう。(いずれにしても本場の発音とは違うのだから、あまりこだわる必要はないでしょう)

この生地ブランドをご存知の方は、おそらくかなり昔からビスポークの世界に慣れ親しんだ方のはず。

ローマの老舗生地商であり、イタリア中のサルトリアがDRAPERSドラッパーズに並んで絶大な信頼を寄せるのが、このEUROTEX ユーロテックス。

DRAPERSドラッパーズがほとんどヴィターレ・バルベリスの別ブランドとして扱われる現在では、イタリアには有名な生地商ブランドがほんのわずかしか残っていないのです。

そんな中EUROTEX ユーロテックスは頑なに昔ながらの生地商であり続け、イタリアや英国の織元に最高品質の生地ばかりを別注している孤高のブランドなのです。

ずいぶん前に一時的に日本にも入ってきていたようですが、その後しばらく取り扱いがありませんでした。

そして今回当店とアンニセッサンタで扱うことで、実に久しぶりにEUROTEX ユーロテックスが日本に再来することになったのです。

EUROTEX ユーロテックスは生地商のプライドとして、「他で手に入る生地を取り扱わない」と言います。織元のバンチを見たとしてもユーロテックスで売っている生地は載っていないと、そういうわけなのですね。

つまり実に美味しいことに、EUROTEX ユーロテックスの生地は今、日本だと当店とアンニセッサンタでしか手に入らない!ということなのですな。

今のところは…。

紳士の色彩、貴族の香り

EUROTEX ユーロテックスの生地の魅力を月並みに説明するとしたら、やはり目付けがよく仕立て栄えすることなのでしょう。

どれもさらりとして比較的薄手な生地感なのに、なんともハリがある。手のひらに載せれば、その手触りからは想像できないほどずっしりとしています。そしてあの目付の良いウーステッドだけが持つ「冷たい重さ」を感じるのです。

例えば同じ260g/mで他の生地メーカーのものと比べたら、ユーロテックスの生地に圧倒的な強さを感じるでしょう。仕立てたときのシルエットの美しさといったら、ちょうどもはや手に入らないビンテージのH&Sのようです。

しかし「仕立て栄えする生地」というのは他にもあります。それなのに洋服屋の店主も、ナポリの仕立て屋もコソコソと自分の服をEUROTEX ユーロテックスで仕立てているのはなぜか。

それを説明するにはどうしたらよいか考え、この二つの言葉を選ぶのに至ったのです。

紳士の色彩、貴族の香り。

EUROTEX ユーロテックスはいつも「うちはクラシックなものしかやらない」、とこのように言います。これは実にその通りで、EUROTEX ユーロテックスのバンチをめくれば奇抜なものは一切ないといっても過言ではありません。

スーツは常にネイビーとグレーを基調にしながら、エレガントな色を組み合わせたダークトーンの柄物へと派生していく。ジャケット生地は(イタリア人にとって偉大な)50年代と60年代を思わせるガンクラブチェックやグレンチェックをメインとして、どれをとっても上品です。

DRAPERS ドラッパーズやCACCIOPPOLI カチョッポリの生地が洒落者の色彩だとしたら、EUROTEX ユーロテックスは紳士の色彩。

そしてEUROTEX ユーロテックスの生地が圧倒的に他と異なるのは、その一貫した深い光沢です。

この光沢にはあの貴族的な香りがあるのです。

例えば純銀のピュイフォルカ、サンルイのクリスタルランプ、ラツィオ原産の大理石で埋め尽くされたフローリング、丁寧にレストアされた1960年代フェラーリのボディのような…。

しかし極上の1962年製フェラーリ 250GTと、ラツィオの大理石“トラバーチン”を敷き詰めた別荘を手に入れようと思うと、両方で10億円ばかり必要ということになってしまいます。

そこでこのEUROTEX ユーロテックスの出番です。

大理石の別荘をやめて、ユーロテックスで仕立てるビスポークスーツに。フェラーリ 250GTを一旦保留にして、(ワイパーが動かずウインカーがランダムに点滅する程度の)極上中古マセラティにすれば、実に9億9500万円以上のお釣りが返ってくるというわけです。

なんて魅力的な話でしょう。

そしてこの回りくどい演説に「確かにその通りだ!」と共感したお客様が、今日の夜中にはすっかり目が回って、来店予約をしてしまうとそういうわけですな。

かの傍若無人な店主はこう返信するでしょう。

お客様、まあお待ちください。今から数日後、あなた様がユーロテックスの生地を見たくて仕方がなくなったころ、あなた様は新しいブログが更新されているの見つけるでしょう。そしてそこにはある晴れた日に、待ち焦がれた船が遠くで汽笛を鳴らした時のような、歓喜にあふれた一言が書かれているのです。

「ユーロテックス限定、特別価格キャンペーン!」

Sartoria Ciardi トランクショー 限定生地(一部)をご紹介

こんばんは、プロフェソーレ・ランバルディ静岡の大橋です。

今日はみなさんに、10月のサルトリア・チャルディ トランクショーで選ぶことのできるビンテージ&デッドストック生地の一部をご紹介いたしましょう。

今回のトランクショーは、実に珍しい生地やラグジュアリーな生地が揃いました。

Holland & Sherry Pure Guanaco

こちらはすでに入手困難なホーランド&シェリーのピュアグアナコ。大変美しい光沢、ぬめり感はヴィキューナにも勝ると言われています。

サルトリア・チャルディの工房が購入し、大切に保管してきた生地。

やや軽めの生地で2.3mありますのでサイズ42〜46の人であればチェスターコート、それ以上の人であればジャケットでのお仕立てが可能です。

Holland & Sherry Super 160’s + Cashmere(3色)

ホーランド&シェリーと非常に長い付き合いがあり、老舗サルトリアであるからこそ入荷することのできる特別な生地。

このSUPER 160’sにカシミアを混紡したスーツ生地はまさにそういったものです。

しかも今回はベーシックな紺色を3色。

繊細な光沢感を持ちながらもハリがあり、美しいシルエットを描く生地。定番の色でありながら、一見してわかる上質さがサルトリア・チャルディの仕立てに映えるでしょう。

Holland & Sherry Cashique(3色)

ホーランド&シェリーの中でも、知る人ぞ知る最高級生地CASHIQUE カシック。

実に贅沢なSuper 160’s Worstedに30%のCashmereと18%のSilkを混紡したラグジュアリーな生地です。とても発色がよく、春夏のジャケットに貴族的な優雅さと華やかさを演出してくれます。

今回はこの非常に貴重な生地を、ネイビー、グリーン、ブラウンの三色で用意しています。

Drapers Super 170’s, Loro piana 14.5 micron

真ん中の絹のように美しいスーツ生地は、ロロピアーナのデッドストック生地。

大変贅沢な生地感はもちろんのこと、何よりもその深い発色は、パーティや特別なシーンで着るダークスーツにふさわしいものです。

また、ドラッパーズのグレースーツ生地は説明不要な美しさです。

ローマの紳士達のように、エレガントで洗練されたグレースーツを、さらりと着こなしたいですね。

サルトリア・チャルディはこういった番手の生地も扱い慣れておりますので、とても美しくドレープ感に富んだスーツに仕上がります。

Worsted Cashmere for Kiton キートン別注ウーステッドカシミア

こちらはもともとキートンが別注して作らせたウーステッドカシミア。

最高級のカシミアを惜しみなくウーステッド生地に仕上げ、とても美しい光沢と滑らかな手触りになっています。すでにご存知の方は、キートンの秋冬ジャケットをご想像いただくのが一番です。

カシミアの手触りとウーステッドのシルエットの良さ、そして軽快さを全て兼ね備えた文字通り最高の生地です。

特にこちらのネイビーはすぐに売り切れてしまうことが予想されます。

Holland & Sherry Victory

サルトリア・チャルディの定番とも言えるホーランド&シェリーのビンテージ Victory ヴィクトリーですが、大人気につきほとんど完売となってしまいました。

今回は軽めのフランネルのシュプリーム・ヴィクトリーを二色ご用意。

奥ゆかしい光沢と目付けの良さ、そしてしっとりとした手触りをぜひご体験ください。

Drapers Vintage Tweed

こちらはドラッパーズのビンテージツイード。スコットランドハウスがドラッパーズのために織った、大変目付けの良いツイードです。

いかにも仕立て栄えするコシの強さと、美しい発色。そして絶妙な存在感のヘリンボーンで秋冬ジャケットにはこれ以上ない最高のツイードです。

他にも数種類のビンテージ ツイードがございます。

ご予約、ご質問はお早めに

サルトリア・チャルディ工房在庫のビンテージ&デッドストックは大変人気がございます。

そのため定番の色は特にかなり早い段階で売り切れになる可能性がございます。

ご予約も可能ですので、ぜひお早めにお問い合わせくださいませ。

またその他にご希望の生地をお探しすることも可能でございます。ご希望の色や季節感、素材などをご明記のうえぜひご相談ください。

それでは、どうぞよろしくお願いいたします。

ナポリの倉庫に隠されていたデッドストック生地のご紹介

こんにちは、プロフェソーレ・ランバルディ静岡の大橋です。

噂によると、ランバルディの店主はナポリで仕入れたいい生地をナポリの倉庫か何かに隠しているらしい。

「…らしいですよ?」

とお客様に聞かれた私は、しらじらしく「へえ、そうなんですね」などと答えておりましたが、ついにバツが悪くなり「きっとナポリ出張中に紹介します」と約束をしてしまったのです。

そういうわけで今回はナポリにずっと置いてあった極上の生地を、ついにご紹介いたしましょう。

ちなみに今回の生地は特別です。

なぜならここだけの話、これはイギリス・ロンドンから特別な“つて”で仕入れた最高のデッドストック生地なのですから…。

Irresistibly Pure Cashmere

(命名が無駄に英国風なのは、単純に気分がロンドンだからです)

このウーステッドカシミアはまるで、天国から降りてきたカシミア山羊をそっとおびき寄せて優しく毛を刈り織り上げたような生地。

ブラウンの中に織り込まれたブルーがわずかに浮かび上がり、しっとりと濡れた光沢と陰影が生地に高貴な雰囲気を漂わせています。

ふわりと軽い手触り、指に残る滑らかさ、それでいながらコシの強さを持つウーステッドカシミアならではの生地感。数あるカシミアの中でもトップレンジのものであることは間違いありません。

しかしカシミアとしての上質さはさることながら、特筆すべきはこの絶妙な色合いとクオリティでありつつも、春秋冬で着られる軽やかな生地であると。

重厚なカシミアももちろん魅力的ですが、この天使の羽を梳いて織り上げたような生地は、ナポリ仕立てにこれ以上なくマッチするでしょう。

Luxury Hemp, Cashmere & Silk

この生地はイタリア物ですが、実はもうすでに絶版となった生地。ナポリでは大人気ですぐに売り切れてしまったものの、偶然ロンドンに在庫があったために手に入った極上の春夏生地です。

この生地を見つけたときだけは、雨ばかり降っている英国に感謝したものです。

ナポリではあまりにも人気なCARNETが、ヘンプリネンに25%の極上カシミアと15%のシルクを織り合わせた贅沢な250g/mのサマージャケッティング。

夏の陽光の下でキラキラと輝き、しかもリネンよりも丈夫でシワにもなりにくいヘンプ(リネンとは別種の麻)。普通のリネンよりも深いシワが入りにくく、コシがあります。

そこにカシミアの滑らかな手触りとオイル感が加わり、さらにはシルクにしか実現できない発色の良さが入ることで、唯一無二の生地感になっています。

この絶妙な混紡と色合いは、サマージャケット生地を知り尽くしたこのブランドにしか生み出せないものなのです。

柄や派手な生地感で主張するのではなく、圧倒的に贅沢なクオリティで美しく魅せるジャケット生地。お探しの方も多いでしょう。

 

Irresistibly Pure Cashmere 2m ¥88,000円(売り切れ)

Luxury Hemp, Cashmere & Silk 2m – ¥40,000(売り切れ)

いずれのサルトリアでもお仕立てが可能でございます。

どちらの生地も一着限りとなり、売り切れが予想されますので、生地代のみでご予約を承ります。

5月21日〜ご来店時にもしイメージと異なった場合には別の生地に変更することも可能でございます。

お問い合わせはこちらから。

ビスポークスーツ 最高の一着が仕上がるビンテージ生地の選び方

こんにちは、プロフェソーレ・ランバルディ静岡の大橋です。

最近はビンテージを中心として大量に生地を入荷して浮かれておりますが、生地は仕入れるだけでは仕方ない。お客様にどんな生地があるのか、ブログで紹介しなければ意味がないのですね。

ところが先日もいらっしゃったお客様が、新入荷した極上の3PLYのモヘアウールをサルトリア・チャルディのために選んでくださり、結局ご紹介する間も無く売り切れてしまっていくのです。

そこで私は持ち前の怠惰な心と狡猾な思考をフル活用して、生地を一種類ずつ紹介するのではなく、ざっくりとビンテージ生地の選び方を紹介し、その中で当店をゴリ押しするという画期的な方法を思いついたのです。

ビスポークスーツでビンテージ生地を選ぶ理由とは?

しかし世の中にこれほどまでたくさんの生地メーカーがあり、星の数ほど生地が織られているのに、どうしてビンテージ生地を選ぶのか。

実際のところ、生地の製造過程はどんどん改良されています。昔よりも短時間で文句のつけようのない高品質な生地を織り上げることのできる機会が開発され、色柄も以前より細かかったり、繊細な表現ができるようになりました。

またSUPER 〜 に表現されるように、軽くて滑らかな生地も技術の改良で織ることができるようになりました。

全体的に見れば、スーツ生地のクオリティというのは非常にレベルが高くなったのです。

例えば当店で現在メインに扱っているHolland & Sherry ホーランド&シェリーはもちろんのこと、バンチから選ぶことのできる極上の生地は少なくありません。

しかしどうでしょう、生地一つを取ってみて、それを昔の上質な生地に比べてみると、どうも昔の生地に惹かれてしまうことがある。

それは、昔の生地にしかないクオリティがあるからです。

このクオリティは品質というよりは、性質と表現すべきものでしょうか。

例えばイタリア語のQualitàという言葉には品質の他に、性質や素質という意味がありますが、これらの言葉はどう違うのか。

品質というのは単純に表現すれば優劣の程度です。しかし性質はそのものだけが持つ固有性を指しています。

ビンテージ生地はゆっくりとした昔ながらの織機で、時間をかけて織り上げられる。その結果、生地は均一とは言えないものですが、しっかりと目が詰まっており、そのうえ表情豊かです。

それは完全ではないが、その不完全さが美しい。言ってしまえば人間的な仕上がりなのですね。

そして人間は言わずもがな、世界で最も人間的な生物ですから、こういう生地に親近感を持ちやすいのですね。

世界中の優れた職人を差し置いてイタリアの仕立てを好むような物好きな人々は特に…。

ビンテージ生地の選び方

しかしビンテージだからと言って、どんな生地でも良いというわけではありません。

ビスポークスーツにはそれにふさわしい品質というのもやはり必要ですし、その服の用途によっても選ぶべき生地は変わるでしょう。

では実際にどうやってビンテージ生地を選ぶべきなのか。

ビンテージ生地でビスポークスーツを作りたいという方のために、少し細かくお話していきましょう。

ビンテージ生地に関する情報を取り込みすぎないこと

このトンデモブログをお読みいただいているお客様には申し上げにくいことながら、実は一番大事なことはこれでしょう。

情報を取り込みすぎないこと。

まあこのブログに関しても大変な眉唾物なのですが、ここで言いたいのは「ドーメルの〇〇というシリーズが一番良い」だとか「〜年代以降には良い生地はない」などという情報を取り込みすぎないことが大事だということです。

ビンテージの生地は、基本的には非常に手に入りにくいものです。

在庫が限られているうえに皆が探していて、もはや残っていないものもある。その中で「これが良い」「あれが良い」という情報を追いすぎると、底のない沼にハマってしまう可能性があるのです。

しかしそういった情報を一旦置いておいて、いろいろな生地を見てみましょう。

すると無名なブランドでも、はたまた耳のついていないような生地でも、素晴らしいクオリティのものはたくさんあるのです。

ドーメルのトニックが有名だからといって好きでもないストライプのトニックを選ぶよりも、同じ時代に作られていた小さなメーカーの好きな色のキッドモヘア生地を選んだ方が、20年後の自分に感謝されるかもしれませんよ、ということです。

仕立てる用とに合った生地を選ぶこと

先日いらっしゃったお客様は仕事にも気兼ねなく着ることができるマスターピースが欲しい、とのことでしたので、この紺無地キッドモヘアの3PLYをお選びいただいたのですね。

もう何着も仕事用のスーツは持っていて、今度は少しいかにもビンテージ感の漂うような、とはいえ普通に着こなすこともできるスーツが欲しければ、ピンヘッドなんかも良いでしょう。

こちらは写真ではわかりにくいですが、ベージュの地にネイビーが入ったピンヘッド。3PLYでコシのあるしっかりとした生地ですし、見る人が見ればすぐにビンテージだとわかります。

ぶっちゃけこの生地はしばらくライティングビューローの後ろに隠しておいたあげく「売れなかったし、うんうん、仕方ない、うんうん」と何かしらケチをつけて自分のスーツにしてしまう予定なのですが。

探すのではなく、出会いを大事にすること

もう一つ、これはとてもおすすめなビンテージ生地との付き合い方なのですが、ある一定のブランドやシリーズを探すのではなく、その時々の出会いを大事にするのが良いのではないかと個人的には思うのです。

例えばある生地を執念深く探し求めたとすると、その途中でせっかく見つけた素晴らしい生地も見落としてしまいがちです。

しかしあまりこだわりすぎずその時々に「これだ!」と思ったものを選ぶと、結果的に納得のゆく素晴らしいスーツが仕上がってくるものです。

例えば上の写真はメーカーもわからない、ビンテージのリネンです。光沢と色合い、所々現れるネップが美しい生地ですが、もしアイリッシュリネンという言葉にこだわれば選ぶことのできない生地です。

もちろんこのリネンはアイリッシュリネンかもしれないし、そうでないかもしれない。しかしただ一つわかることは、重量感があって、素晴らしい風合いのリネンだということです。

これだけで十分に、選ぶ理由になります。

プロフェソーレ・ランバルディ静岡でビンテージ生地と出会う

今、プロフェソーレ・ランバルディ静岡にはたくさんのビンテージ生地がございます。ざっと数えて100着分以上はあるようです。(ああ、期末の在庫の恐ろしさよ)

この瞬間にしか手に入らないのはもちろんのこと、仕立て栄えするものを選んで入荷していますから、きっと次のビスポークスーツにぴったりの生地が見つかるはずです。

ちなみに生地代も、バンチから選ぶものとそれほど変わらないものが殆どです。

あなたも一生付き合っていきたくなるようなビンテージ生地と、プロフェソーレ・ランバルディ静岡で出会ってみませんか。

贅沢かつ力強いピュアカシミアでスーツを仕立てる

こんにちは、プロフェソーレ・ランバルディ静岡の大橋です。

カシミアという素材をご存知でしょうか。いや、ご存知ですね。こんな初夏もいいときに、なぜ真冬の友達であるカシミアなんて紹介し始めるのか?

ナポリ仕立てはどうせ時間が掛かって今オーダーしてもどうせ冬になるから。

…ぐうの音も出ませんな。

いや、それは一理ありますが、しかしそうではないのです。

ウーステッドスパンカシミアという生地をご存知でしょうか。これが本日ご紹介するカシミアです。

最高級のカシミアを贅沢に100%使用し、それをさらりとしたウーステッドに仕上げたもの。春秋を中心にスリーシーズンで着られる合物生地です。

どうです、初夏に紹介するのに値する生地でしょう?

ウーステッドスパンカシミア

単に贅沢さで考えると、世の中にはたくさんの生地が存在しています。

かのビキューナに始まり、グアナコ、カシミア、そして繊維の細いウールも高級な素材です。

例えばSUPER 200’sのウールなどは成金趣味と言われていて(値段の高い順に生地を選ぶロシアの富豪でもない限り)ビスポークの世界では滅多に選びませんが、やはり贅沢な素材に憧れるのは当然のことです。

しかしいざ着用するとなると、正直あまり喜ばしい生地ではないのです。

例えばSUPER 200’sのウールやカシミア混などは繊細すぎて仕立て映えがしない。そのうえ一日着用するとシワだらけになってしまうとそういうわけなのですね。

そのためコスタンティーノやアントニオ・パニコなどもあまり繊細な生地を好まず、むしろ強い生地を好むのですね。特にアントニオ・パニコのビンテージモヘアやツイード好きは有名なところでしょう。

そのためナポリの老舗サルトリアに、そういった繊細さ勝負の生地を持ち込むのは無粋というのが常識です。

しかしこのピュアカシミアはいかがでしょう。

ウェイトは300グラム強、ものすごく打ち込みがよく、カシミア特有のナチュラルストレッチや贅沢な手触りがありつつも、一見するとウールのような強さがあるのです。

例えばこんな風にぎゅっと掴んで、離してみましょう。

  

まるで何もなかったかのように復元してくれます。

この目付の良さ、ハリ感、そして復元力。カシミアを売りにするだけでなく、実際にスーツとして仕立てたときのことを考えて織られたピュアカシミアの生地は本当に珍しい。

そういうわけで、売れるかどうかもわからないのに2着分限定で仕入れてきたわけです。

日本製の生地の良さ

実はこの生地は日本の老舗織元である長大毛織が織った特別なウーステッドスパンカシミアです。

日本ブランドでも最近ではインドや中国で生地を織ることが増えていますが、この長大毛織は頑なに日本製にこだわり続けているメーカーです。

個人的には特別日本製の生地に関心を持っていませんでした。

というのも日本製の生地はしっかりと織られている反面、風合いの柔らかさに欠けて、少し硬い雰囲気のものが多いというイメージだったのですね。

しかしこのカシミアではどうでしょう。その質実剛健な日本の織元らしいクオリティが功をなして、繊細さ極まる最上級のホワイトカシミアであることを忘れてしまいそうなくらいに頼れる生地感となっています。

カシミアは一般的にそのカシミアらしさを前面に打ち出すため、やわらかく織り上げることが多い。しかし最高に上質なカシミアをゆっくりと、しっかりと織り上げたもの。それ以上に贅沢なものはなかなかないでしょう。

今世界が夢中になっているのはビンテージ生地ですが、この生地はまるでビンテージ生地のような特性を持ったカシミアなのですね。

単に贅沢なだけでなく、一生大事にしたくなるようなカシミアのスーツをこの機会に仕立ててみませんか。

 

この生地ですが通常メートル単価29,000円のところ、5月12日までは1着分50,000円にて承ります。

2着分限定の入荷ですので、是非お早めにご検討くださいませ。

Dormeuil Super Brio キッドモヘアのしなやかな宝石

こんにちは、プロフェソーレ・ランバルディ静岡の大橋です。

今日は大変な寒さに、ここ静岡でさえもなかなかの冷え込み具合です。

こうも寒くなったときにどうするか。

安直に考えれば売れ残った秋冬のジャケットを必死に宣伝するのですが、最近はビンテージ生地ばかり入荷しているせいで押し売りする売れ残りジャケットさえないという状況になっているのです。

ただし他にも、私が数々のビジネス啓発本やマルクスの「資本論」やルソーの「法の精神」等を読んで吟味した結果、

派手なチェック柄のジャケットばかりを仕入れるのは良くない

という結論に達したことも、十分な理由として挙げられるでしょう。

それはそれとして、今回入荷したビンテージ生地の中にドーメルのスーパーブリオという生地があります。

実は先日もネイビー無地のスーパーブリオも追加で入荷し、現在なんと100メートル近くのドーメル を在庫している状態となりました。

今回はそのスーパーブリオを皆さんにご紹介したいと思います。

Dormeuil Super Brio ドーメルのスーパーブリオ

ドーメルのスーパーブリオにしても前回ご紹介したマジックにしても、やはり私は当時を知らないため、きっと皆さんの方がよほどお詳しいことでしょう。

スーパーブリオはトニック、スポーテックスと並びドーメルの三大シリーズとも言える生地です。

当時はまだ織るのが難しく一般的ではなかったキッドモヘアを、スーツ生地として一躍有名にしたのがドーメル のトニックです。

このトニックはキッドモヘアらしいコシと光沢がありながら、しなやかも兼ね備え素晴らしい生地なのですが、何につけても重い。春夏というよりは春秋の生地なのですね。

それに対してスーパーブリオは250gとやや軽量であり、春夏をメインに着られる重さです。しかもこの重さの現代の生地に比べると圧倒的にコシが強い。

そのため軽快でありながらも美しいシルエットを維持し、シワにも強いという奇跡的な特性を持つわけです。

現在モヘアを紹介するときにはシャリっとした、という言葉を使いますが、昔のキッドモヘアはしなやかでハリコシもあるので、どちらかというとモチっとした感じが強いですね。

ビンテージのスーパーブリオはどこが違うのか?

なぜ同じように現在でもキッドモヘアを使った生地を作っているのに、風合いが異なるのか。

それにはモヘア自体の質と紡績方法の違いが関係しています。

まずはモヘアですが、現在は南アフリカが原産国として有名です。このドーメルのスーパーブリオが織られていた頃には、トルコ産のものが使われていたと言います。

それから、精紡機がフライヤー式で非常に低速で織られていたことは、この生地が非常に表情豊かで、しなやかなことに関係しています。

これを魅力と感じてしまうのが私たちビスポーク好きですが、この辺りは着用される場面にも合わせるべき部分でしょう。

キッドモヘアのしなやかな宝石

さて柄にもなく細かな話を色々としてきましたが、正直なところこんなことをいちいち覚える必要はありません。私もそこまでディテールに関心があるわけではないのです。

私がこのスーパーブリオを他のビンテージ生地よりもさらに多く入荷したのは、この生地が何よりも美しいからに他なりません。

キッドモヘアの光沢と、浮き上がる素材感。派手さはないが、織り上げる様子まで想像してみたくなるような味のある雰囲気。

例えば現代のスーパーカーを見たとき、確かに美しく魅力的です。しかし例えば1967年式のマセラティのクーペ、ミストラルを見たときにはむしろ何か物語性のようなものを感じてしまいます。

また完璧ではないが魅惑的で愛嬌のある車には、名前をつけたくなる。

私がドーメル のスーパーブリオを愛でる感覚は、そんなようなものです。

決して最近のSUPER 180’sやカシミアのような滑らかさや高級感があるわけではないし、色合いも最近のイタリア生地に比べれば落ち着いた発色です。

しかしそこには、懐かしい戸棚の中にすっかり忘れ去られていた宝物のような美しさがある。

単に古いから、味があるからというだけではありません。

最上級のキッドモヘアを贅沢に使用し、今では再現できないほどゆっくりと手間をかけて織られた生地はさながら、織り物でありながら宝石のような存在だからです。

是非皆さんも店頭で、この生地を手にとってご覧くださいね。

きっとこの感覚を理解していただけることと思います。

ちなみに色は全部で6色(写真のベージュは売り切れです)ございます。どれも1〜2着ずつといった具合ですから、お早めにお問い合わせくださいませ。

DORMEUIL MAGIC ドーメル・マジック(あるいはビンテージ生地で空を飛ぶ喩え)

古代ギリシャ、華やかなりしクレタ文明を開いたミノス王の時代。

ギリシャ一と言われるダイダロスという職人がいた。彼は王の信頼を得ていたが、あるとき王に疑いをかけられ息子のイカロスと共に幽閉されてしまった。

しかし彼は鳥の羽をロウで固め、牢獄から脱出できる大きな翼を作り上げた。

彼は息子のイカロスに言った。

「中空を飛びなさい。海に近づけば水しぶきで羽が重くなる。太陽に近づきすぎれば、ロウが溶け出すから」

二人は空を飛んだ。イカロスは父ダイダロスの背中を追うので必死だったが、次第に慣れてくると楽しくなって高く、空よりももっと高いところを目指そうと上空へと飛んでしまった。

すると太陽の熱でロウが溶け出し、イカロスは墜落してしまって、息絶えたのであった。

「イカロスの翼」 – ギリシャ神話

この話には色々な解釈があります。

人間の果敢さを讃えることがあれば、科学技術が急激に進歩していくなかで、身の程を知らずに大自然に挑戦していく人間を揶揄してこの言葉が使われることも少なくない。

「太陽を冷やす」と銘打って売り出されたドーメルのマジック。

この言葉を聞いて私が思い浮かべたのは他でもない、この教訓めいた話でした。しかしこの生地の現物を見たとき、ある考えがひらめいたのです。

人間がまだ答えを見つけ出していなかったとき、それこそが答えになると信じて一心不乱に追求した結果として生まれたものは、人の心を動かす美しさがあるのではないか。

すでに宇宙に到達しつつある現代の私たちがかの原始的なイカロスの翼を見ても、私たちはきっとそれを美しいと思うであろう。

そしてビンテージのドーメル、マジックという生地はまさにそんな生地なのです…。

なーんてまた定番のよくわからない書き出しをすると、読者の皆さんの目が回ってしまって、きっとうっかり来店の予約メールを送ってしまうことでしょう。(それならそれでしめしめ、という具合ですな)

そろそろ真面目に生地の紹介をすることにいたしましょう。

Dormeuil Magic ドーメル マジック

今回20種以上のドーメルやホーランド&シェリーのビンテージ生地を入荷することができました。

その中でも今回は、ドーメルのマジックという生地についてご紹介しようというわけです。

とはいえド平成生まれの私はドーメルが一世を風靡していた時代にはまだ、ビスポークはおろか細胞分裂さえままならない有様だったため、ビスポーク界がどんな状態かは存じ上げないのですな。

しかしやはりビンテージ生地を愛してやまないお客様のお話を伺えば、この生地がどれほど素晴らしい生地かは伝わってくるものです。

ドーメルのビンテージといえばトニックとブリオと言われ、今回ありがたいことにそれらも入荷したのですが、マジックもまた知る人ぞ知る名生地です。

最高品質のモヘアとウールを強撚糸にして、しかも縦糸と横糸の太さを変えて織ることで涼しさとシワに対する強さを生み出した生地。

シャリっとしたモヘアらしい雰囲気と上品な光沢が美しい。そして何よりも軽量でありながら仕立て栄えし、耐久性に富んでいるという春夏生地として奇跡のような特性を持っているのが、このドーメルのマジックなのです。

大ヒットしたトニック、ブリオ等と共に復刻もしましたが、やはりオリジナルまでの雰囲気は出ない。

そういうわけでビンテージならではの原毛の質の高さと、時間をかけた織りの風合いを求めて、マニアックな人々がこのオリジナルのマジックを探し求めているというわけです。

特に無地のブルー、ネイビー系などは早速使われてしまってなかなか残っていない。

今回入荷した生地にしても数着分に限られており、とても希少な入荷なのです。

人々がまだポリエステルやナイロンといった化学繊維に頼らず、天然素材の品質や織りの工夫でこれまでにない快適さを実現しようとしていた時代。

もちろんナポリ仕立てにしても、最初からストレッチ生地が存在していたら、ここまで独創的な文化を求めることはなかったでしょう。番手の低いウールでどこまで軽快な着心地を実現できるかを追求してきたからこそ、今の職人技があるのです。

そしてこのドーメルのマジックをナポリのサルトリアでスーツに仕立てること。これほど素晴らしい組み合わせはないでしょう。

なぜならそれは、あくまで自然のもとで限界に挑戦した職人たちの軌跡を辿り、目の当たりにすることなのです。

同じ快適なスーツを目指していても、アナログなビスポークという世界では、一見非合理的に見えるこんなアプローチが実にエレガントに見えるもの。

全ての人に理解してもらうつもりはありません。

どうせ空を飛ぶなら、鳥の羽をロウで固めた翼で飛んでみたい。

私はきっとそんなお客様に、ドーメルのマジックで作るナポリ仕立てをおすすめするでしょう…。

2018年春夏のビスポークにおすすめ生地3選

こんばんは、プロフェソーレ・ランバルディ静岡の大橋です。

年間積雪量0cmどころか、過去20年近く殆ど雪の降ったことがない静岡市中心部とはいえ、今日の寒波ではなかなか冷え込んでおります。

冬になると「どうせ冬もすぐ終わるだろう」という怠惰な理由で冬物ジャケットを仕立てない私は、わずかな数着のジャケットを着て、この寒波を過ごすこととなったのです。

しかし問題ありません。

なぜなら私にはイタリアが開発した素晴らしいインナーがあるのですから。

親愛なる読者様にだけはひっそりとお教えしますが、それは「グラッパ」というもので、身体を内側から温める、ユニクロのヒートテックやロシアのウォッカに匹敵する画期的な手段なのです。

さてこの寒さがグラッパで和らいできたら、グラスを片手に春夏生地の話をしましょう。今日は小春日和の装いを考えるのに、うってつけの日なのですから。

音楽はギル・エヴァンスのちょっとアクの強いジャズ・プレイリストで問題ないでしょう。

HARDY MINNIS ハーディ・ミニスのフレスコ

このフレスコは昨年チャルディのエンツォにお願いして、貰ったバンチです。

なぜこんなところに置くのか。それは目の錯覚でこの小さなバンチが大きく見えることを期待しているからです。ほら、ジュエリーボックスが腰の高さのチェストに見えてきたでしょう。するとバンチはA4サイズです。

フレスコはシワに強く、耐久性がある。

言葉ではご存知かもしれませんが、その強さは想像以上です。クリースラインはしぶとく消えず、細かなシワは驚くほどすぐ消えていく。着心地は少しざらっとしますが、軽やかでまとわりつくことがない。

なにしろ細かいことを気にして動く必要がないので、所作がエレガントになるでしょう。素敵な女性が外で鍵を落とした時に、「ごめん俺のズボンSuper180’sだから、地面に膝つけないんだ。本当にごめんね」と謝る必要がないのです。

春夏ならフレスコライトが良いでしょう。280g/mで9oz、ちょうどいい厚さと重さでスーツにはぴったりです。

写真は美しいネイビーブルーとネイビー。わずかなメランジ感もあり、上品ながら表情豊かな生地ですね。

もちろん非常に軽いジャケットにはなりませんが、いざと言う時には手でくるりと丸めて持ち歩けるようなジャケットが仕立て上がるはずです。

トラウザーズに関しては、この重さで真夏も着用できるはずです。

そもそも真夏でもあまり薄い生地でトラウザーズを仕立てるとすぐダメになってしまいますし、この重さでも足にまとわりつかないのでそれほど暑く感じないはずです。

トラウザーズだけで考えるなら、こんな色はどうでしょう。

春夏の軽快さを出そうにも、やっぱり紺ジャケットにグレートラウザーズの組み合わせから抜けられない。そんな方はグレーを軽くすることで、無理なく軽快な装いができるはずです。

ミディアムグレーはコンサバな雰囲気ですが、ライトグレーは少しリッチで余裕のある雰囲気になります。コツはトラウザーズのシルエットを攻めすぎず、多少ゆとりのあるシルエットにすることです。

スーツでおすすめなのが、このトーンのグレー。

ミディアムグレーにライトグレーが混ざったような雰囲気ですが、この絶妙なトーンがカジュアルにもビジネスにも合うスーツを作ってくれるのです。

ジャケット単体でデニムにネクタイ無しでも着られますし、もちろん白シャツにネクタイで着こなすこともできる。正直なところ、あまりグレーを着ない私が「作るからこれだ!」と思うのが、このグレーなのです。

希少な直輸入のアイリッシュリネン

このアイリッシュリネンに関するGrande Storia – 大変な由来については既にこちらで散々書き立てていますので、そちらをご覧いただくとして。

やはり私のおすすめはこのアイリッシュリネンです。

すでに何着かオーダーを頂いており、ネイビーなど大人気でどれほどストックが持つのか?という具合ですが、やはりアイリッシュリネンのネイビースーツは春夏の素晴らしいチョイスでしょう。

ご覧になったお客様には絶賛して頂いておりますが、やはりこの織元のアイリッシュリネンの独特の風合いと強さ、しなやかさはなかなか見つからないものです。

左が今回入荷のアイリッシュリネン。右はビンテージリネン。かなり近い風合いのものを見つけました。

私がどの色でスリーピーススーツを作ろうと考えているか?

もちろんクリームイエローです。理由は、店の壁と同じ色だから。壁と同じ色のリネンスーツを、ましてやスリーピースで着れば、どんな粗相をしてもお客様は見えず気付かないですからね。

230g/mと280g/mの二種類の織りがあり、ブラウンやカーキ、ベージュにアイボリー等も入荷しています。

CARNET カルネの『Blue』シリーズ

いつも重々しいロンドンの曇り空のような英国生地ばかり紹介しているので、たまにはイタリアの色気ある生地も紹介してみましょう。

イタリアにはドラッパーズやカチョッポリなど人気なブランドがありますが、個人的に気に入っているのがCARNET カルネ、日本ではつとにタリア・ディ・デルフィノという名前で有名なこちらのブランドです。

このブランドに写真のBlueというバンチがあります。これはなんと一冊が全てジャケット用のブルー系生地で集められているという、プロフェソーレ・ランバルディ静岡の店主のように偏ったバンチなのです。

バスケットやホップサックからメッシュ系、サマーツイードにピュアシルクまで。適度な光沢と華やかさ、そしてハリ感を兼ね備えた春夏ブルー系生地。250g/m〜270g/mを中心に、軽いものは200g/m、サマーツイードは310g/mの生地も。

合物から盛夏までイメージに合わせて選べます。

ベーシックな紺から水色までありますが、生デニムのようなインディゴネイビーも美しい。

こんな深い色合いと素材感の特徴的な生地も良いですね。(なんとなくフレイムメープル化粧板を使用した、PRSのエレキギターを思わせますな)

さて、本当はもっとご紹介したかったのですが、すでに文字数オーバーとなってきました。

また明日目覚めたら、もう少し春夏生地について思いを巡らせることといたしましょう。